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06月16日-02号

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  1. 松山市議会 2016-06-16
    06月16日-02号


    取得元: 松山市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-05-07
    平成28年 6月定例会                 平成28年          松山市議会第2回定例会会議録 第2号          ──────────────────             平成28年6月16日(木曜日)             ───────────── 議事日程 第2号   6月16日(木曜日)午前10時開議日程第1 会議録署名議員の指名日程第2 承認第2号 松山市市税賦課徴収条例等の一部を改正する条例を定める専決処分の承認を求めることについて 承認第3号 御手洗漁港物揚護岸の水路の損傷による海水流出事故の損害賠償額を和解により定める専決処分の承認を求めることについて 承認第4号 御手洗漁港物揚護岸の水路の損傷による工事車両事故の損害賠償額を和解により定める専決処分の承認を求めることについて 議案第70号 平成28年度松山市一般会計補正予算(第1号) 議案第71号 平成28年度松山市国民健康保険事業勘定特別会計補正予算(第1号) 議案第72号 市議会議員その他非常勤の職員の公務災害補償等に関する条例の一部改正について 議案第73号 松山市個人番号の利用等に関する条例の一部改正について 議案第74号 松山市消防団員等公務災害補償条例の一部改正について 議案第75号 松山市指定地域密着型サービスの事業の人員,設備及び運営に関する基準等を定める条例及び松山市指定地域密着型介護予防サービスの事業の人員,設備及び運営並びに指定地域密着型介護予防サービスに係る介護予防のための効果的な支援の方法に関する基準等を定める条例の一部改正について 議案第76号 松山市幼保連携型認定こども園の学級の編制,職員,設備及び運営に関する基準を定める条例及び松山市幼稚園型認定こども園保育所型認定こども園及び地方裁量型認定こども園の認定の要件を定める条例の一部改正について 議案第77号 伊予市との連携中枢都市圏形成に係る連携協約の締結について 議案第78号 東温市との連携中枢都市圏形成に係る連携協約の締結について 議案第79号 久万高原町との連携中枢都市圏形成に係る連携協約の締結について 議案第80号 松前町との連携中枢都市圏形成に係る連携協約の締結について 議案第81号 砥部町との連携中枢都市圏形成に係る連携協約の締結について 議案第82号 工事請負契約の締結について(余戸北吉田線洗地川橋梁(下り線)整備工事(上部工製作)) 議案第83号 工事請負契約の締結について       ((仮称)椿の湯別館増築主体その他工事) 議案第84号 工事請負契約の変更について(坊っちゃんスタジアム内野下段観覧席改修工事) 議案第85号 市道上での事故の損害賠償額を和解により定めることについて 議案第86号 市道路線の認定について 議案第87号 市営土地改良事業県単独土地改良事業(農道)・府中地区)の施行について 議案第88号 市営土地改良事業(ほ場整備事業(丹波地区))の事業計画の変更について  (一般質問)   ──────────────── 本日の会議に付した事件日程第1 会議録署名議員の指名日程第2 承認第2号~第4号、議案第70号~第88号   ──────────────── 出席議員(42名)  1番  池 田 美 恵  2番  白 石 勇 二  3番  本 田 精 志  4番  岡   雄 也  5番  川 本 健 太  6番  岡 田 教 人  7番  上 田 貞 人  8番  杉 村 千 栄  9番  中 村 嘉 孝  10番  太 田 幸 伸  11番  山 瀬 忠 吉  12番  長 野 昌 子  13番  清 水 尚 美  14番  吉 冨 健 一  15番  大 塚 啓 史  16番  大 木 健太郎  17番  向 田 将 央  18番  松 本 博 和  19番  角 田 敏 郎  20番  小 崎 愛 子  21番  武 田 浩 一  22番  上 杉 昌 弘  23番  梶 原 時 義  24番  武 井 多佳子  25番  渡 部   昭  27番  大 亀 泰 彦  28番  雲 峰 広 行  29番  渡 部 克 彦  30番  若 江   進  31番  菅   泰 晴  32番  栗 原 久 子  33番  原   俊 司  34番  猪 野 由紀久  35番  丹生谷 利 和  36番  寺 井 克 之  37番  森 岡   功  38番  宇 野   浩  39番  池 本 俊 英  40番  田 坂 信 一  41番  土井田   学  42番  清 水 宣 郎  43番  白 石 研 策   ──────────────── 欠席議員(1名)  26番  友 近   正   ──────────────── 事務局出席職員職氏名  事務局長     西 山 秀 樹  事務局次長    渡 部 俊 明  総務課長     野 村 博 昭  議事調査課長   山 内   充  議事調査課主幹  宮 内 俊 輔  議事調査課副主幹 高 橋 秀 忠   ──────────────── 説明のため出席した者の職氏名  市長       野 志 克 仁  副市長      梅 岡 伸一郎  副市長      西 泉 彰 雄  総務部長     大 町 一 郎  理財部長     片 山 雅 央  総合政策部長   山 崎 裕 史  総合政策部坂の上の雲まちづくり担当部長           中 富 宣 行  国体推進局長   池 田 和 広  総合政策部危機管理・水資源担当部長           井 手 清 史  理財部副部長   黒 川 泰 雅  財政課長     大 木 隆 史  市民部長     唐 崎 秀 樹  保健福祉部長   矢 野 一 郎  保健福祉部社会福祉担当部長           西 市 裕 二  保健福祉部子ども・子育て担当部長           黒 瀬 純 一  環境部長     大 野 彰 久  都市整備部長   青 木 禎 郎  都市整備部開発・建築担当部長           隅 田 完 二  下水道部長    柳 原   卓  産業経済部長   平 野 陽一郎  産業経済部道後温泉活性化担当部長           大 崎 修 一  産業経済部農林水産担当部長           中 田 忠 徳  消防局長     芳 野 浩 三  教育長      山 本 昭 弘  教育委員会事務局長前 田 昌 一  教育委員会委員長 金 本 房 夫  会計管理者    片 本 悦 央  公営企業管理者  平 岡 公 明  公営企業局管理部長竹 田 正 明   ~~~~~~~~~~~~~~~~       午前10時0分開議 ○丹生谷利和議長 これより本日の会議を開きます。 本日の議事日程は、お手元に配付の日程第2号のとおりであります。   ──────────────── ○丹生谷利和議長 まず、日程第1、会議録署名議員の指名を行います。 会議録署名議員は、会議規則第86条の規定により、議長において34番猪野議員及び36番寺井議員を指名いたします。   ──────────────── ○丹生谷利和議長 この際、市長から発言の申し出がありましたので、これを許可します。野志市長。 〔野志克仁市長登壇〕 ◎野志克仁市長 去る6月14日火曜日、平成25年度末に退職した元職員が、平成25年5月に作成された12万9,830名分の名簿データを個人のパソコンと記憶媒体に所持しており、松山市個人情報保護条例違反の容疑で逮捕されました。この件での名簿データの拡散や被害の報告は現在ありませんが、個人情報が持ち出されることがあってはなりません。議員と市民の皆様には御心配、御迷惑をおかけしていますことを深くおわびを申し上げます。 皆様にも少しでも早く安心していただけるよう、経緯を早急に調査し、解明に努め、責任追及をしてまいりますとともに、一層個人情報の保護と情報セキュリティーの強化に努めてまいる所存ですので、何とぞよろしくお願いを申し上げます。 以上でございます。 ○丹生谷利和議長 以上で、報告は終わりました。 この際、御報告を申し上げます。各常任委員会及び議会運営委員会におきまして、去る6月10日本会議終了後開催の委員会において、正副委員長の互選を行った結果、次の各議員が選任されました。総務理財委員長、原議員、同副委員長、岡田議員、文教消防委員長、雲峰議員、同副委員長、本田議員、市民福祉委員長、吉冨議員、同副委員長、岡議員、環境下水委員長、菅議員、同副委員長、若江議員、都市企業委員長、友近議員、同副委員長、太田議員、産業経済委員長、中村議員、同副委員長、栗原議員、議会運営委員長、清水宣郎議員、同副委員長、雲峰議員。 以上のとおりであります。   ──────────────── ○丹生谷利和議長 次に、日程第2、承認第2号ないし第4号及び議案第70号ないし第88号の22件を一括議題とし、上程議案に対する質疑とあわせ、一般質問を行います。 この際、申し上げます。各議員の発言は、申し合わせの発言時間内においてお願いをいたします。 次に、傍聴人の皆様に申し上げます。傍聴される皆様は、傍聴席で拍手、その他の方法により賛成、反対の表明をしないよう御注意お願いします。その他騒ぎ立てないようお願いいたします。 それでは、一般通告者の発言を順次許可します。まず、向田議員。 〔向田将央議員登壇〕 ◆向田将央議員 おはようございます。自民党議員団の向田将央でございます。 日々さまざまな人とかかわる中で思わぬ誤解を受けることがあります。そのときは、何とか誤解を解こうと釈明をしたり、相手が理解してくれないのを嘆いたりしてしまいがちです。また、そんな説明はしていないとか、いや、確かにこう言われたなどと水かけ論から収拾がつかなくなるケースもよくあります。大切なのは、発信する側は相手の立場を尊重し、相手が理解しやすい工夫を重ねること。また受ける側は誤って理解した面がないか、再度確認すること。このようにお互いが改めるのはおのれ自身にあると受けとめる姿勢こそが大切だと思っています。少しでもすれ違いのない今議会にしていきたいという思いを持って、以下、トップバッターで一般質問に入らせていただきます。 本日は、最初に、先日、今治市にてオープンいたしました大型商業施設に関連した質問を行いたいと思います。4月23日、今治市に大規模な商業施設がオープンいたしました。施設内の店舗数は合計で約120店舗になります。従業員数は全体で1,200名にもなるのだそうです。先日、私が参加した愛媛平成市議の会の研修会でこの商業施設へ視察に伺いました。視察をしながら話題に上ったのが、週末は多数の松山市民が松山市から今治市に移動するのではないかということです。また、松山市から今治市へ市民が移動するのは一時のブーム的なものではという意見も出ました。しかし、このとき、その中の一人は次のような意見をおっしゃいました。ブームが過ぎれば、松山市民は今治市の大型商業施設から松前町の大型商業施設に戻ってくるのではないか。わかりますでしょうか。その方が言われていたのは、松山市民が週末を過ごす場所として、今治市の商業施設ができるまでは松前町の商業施設が選ばれていたが、今治市の大型商業施設ができたことで、これまで松前町を選んでいた人が今治市を選ぶようになった。そして、今治市の商業施設のブームが過ぎれば、松山市民は再び松前町の施設に戻ってくるということをおっしゃっているのです。もちろんどちらも松山市内の商業施設ではありません。遠く離れた今治市とお隣、松前町の商業施設です。私はこのとき、一松山市民として、また一人の松山市議会議員としてとても恥ずかしい思いをしました。また、同じ今治市の商業施設に関連して、求人のことも話題に上りました。今治市の商業施設のオープンに当たって、従業員が足りず、お向かいの広島や我がまち松山へも従業員の募集が行われているという話題です。このとき、私はふと松山市全体の就労状況が気になりました。今治市の商業施設オープンに関連して松山市にも求人がかけられているということは、わずかかもしれませんが、松山市民が就労場所として松山市ではなく今治市を選択するということです。松山市民が選択する就職先として、ちゃんと松山市内にある企業が選ばれているのだろうか。また逆に松山市以外の住民が就労先として松山市を選択できるような環境にあるのだろうかと、このようなことが気にかかりました。そこで、私は、松山市の担当部署に直近の松山市の就労状況についての調査をお願いしました。私が調査をお願いしたのは、松山市の完全失業率、松山市の完全失業者数、松山市の有効求人倍率、そして松山市の労働力人口の4つです。ところが、松山市では、このような就労に関する直近の情報を松山市単独ではお持ちではなく、最も新しいデータで平成24年。前々回の国勢調査が行われたときの情報しかお持ちではありませんでした。都道府県単位、または中予、東予、南予といった大枠での地域別の情報であれば四半期ごとに総務省統計局が発表していますので、詳細に把握することができるのですが、現時点で松山市単独ではこのような情報を調査する方法がありません。このような状況では、松山市民が果たしてどのような就労状況にあるのか、中央政府が行っているアベノミクスの影響が松山市にどの程度浸透しているのかという情報を把握することができません。これでは、仮に松山市の就労状況がほかの市町と比較して好ましくない状況にあったとしても、これを把握することができず、対策が後手に回るのではないかと思います。そこで、市長にお伺いします。松山市はこれまで、例えばリーマン・ショックや東日本大震災が発生したとき、松山市の雇用状況をどのように把握し、どのような対策をとられていたのでしょうか、お聞かせください。 ○丹生谷利和議長 平野産業経済部長。 ◎平野陽一郎産業経済部長 雇用状況の把握については、有効求人倍率や完全失業率などの指標に注意しながら、ハローワーク、商工会議所や金融機関等との連携により迅速に雇用現場の声を集めています。リーマン・ショック時には、有効求人倍率の低下が見られ、各企業の採用者の減少や雇いどめなど、雇用環境に悪影響を及ぼすことから、本市は愛媛県や商工会議所などと松山市地域雇用創造協議会を設立し、雇用拡大、人材育成、就職支援などの緊急雇用対策に取り組みました。さらに、本市独自の対策として、若年者の正社員化を目指す取り組みや中小企業への利子補給など、さまざまな施策を進めてきました。また、リーマン・ショック以外でも、市内の企業の撤退や倒産により多くの離職者が発生する場合には、相談窓口を設置し、個々の事情に応じた再就職先や生活資金の貸し付けなどの情報提供を行うなど、迅速な対応に努めています。以上です。 ○丹生谷利和議長 向田議員。 ◆向田将央議員 また、今後、同様な経済危機が押し寄せたとき、どのようにして松山市の雇用情報を把握し、対策を打っていくおつもりなのでしょうか、お聞かせください。 ○丹生谷利和議長 平野産業経済部長。 ◎平野陽一郎産業経済部長 現在、本市の雇用情勢は、有効求人倍率が1倍を大きく上回るなど着実に改善しています。ただし、グローバル経済の中では新興国の景気の減速や為替動向なども地域経済に影響を及ぼすことから、景気動向の把握にはこれまで以上に細心の注意を払い、データだけでなく、関係機関との連携により、現場の声を聞きながら、雇用状況を把握したいと考えています。また、対策としては、生活支援も含めた離職者への相談窓口の設置、中小企業への低利融資などによる雇用拡大の支援、合同就職面接会の開催など、これまで実施してきた施策に加え、国、県や関係機関等と連携した対策を織りまぜながら、迅速かつ適切な対応に努めたいと考えています。以上です。 ○丹生谷利和議長 向田議員。 ◆向田将央議員 ありがとうございます。 昨年4月21日より、内閣官房及び経済産業省より、地方自治体に向けて地域経済分析システムRESASの提供がスタートいたしました。地域経済分析システムRESASとは、産業、地域経済循環、農林水産業、観光、人口、消費、自治体比較など、さまざまな角度から自治体の地域経済を分析し、検証を行うために開発されたものです。本年4月21日、このRESASの活用事例が発表されました。この活用事例の中に、愛媛県新居浜市と西条市が共同で取り組んだRESASの活用事例が紹介されていました。そこには次のように掲載されています。愛媛県新居浜市・西条市、2市の中核企業の広域支援に関する分析、四国最大規模の臨海工業地帯に位置する両市を一つの経済圏と捉えて、有効かつ効率的な産業施策を共同で検討する中で、RESASから本経済圏の産業構造や中核企業を中心とするサプライ・チェーン等を把握。2市の広域連携事業として、地域の中核を担う大手企業と中小企業・小規模事業者とのマッチング強化や人材マッチング事業を実施予定。新居浜市と西条市は自治体の壁を越えて地域の中核を担う大手企業と中小企業・小規模事業者とのマッチング強化や人材マッチング事業を予定していると記されています。RESASを活用して、区域内の事業の拡大や雇用へとつなげていこうとしていることがとてもよくわかります。以前、公明党の山瀬議員からもこのシステムについて期待しているとおっしゃっていましたが、私もこの地域経済分析システムRESASは、一地方自治体である松山市にとっても、これを活用することは経済を活性化する上での起爆剤ともなり得るシステムだと思います。そこで、市長にお伺いします。松山市では、この地域経済分析システムRESASを活用して、松山市単独で、もしくはどこかの自治体と連携して、松山市の経済の活性化につながるような何か特別な取り組みを行うことは予定していらっしゃるのでしょうか、お聞かせください。 ○丹生谷利和議長 平野産業経済部長。 ◎平野陽一郎産業経済部長 地域経済の活性化には、市外からお金を稼ぐ、稼いだお金を市内で循環させることが重要になります。そこで、本市は昨年度、松山市の経済の実態を数値で把握できるように独自に産業連関表を作成しました。今年度はこの産業連関表やRESASを活用して、本市経済の特徴や経済波及効果などを分析・検証することにしています。今後は、今年度の分析結果を活用して、経済効果や地域経済の循環性を高める施策の立案に役立てたいと考えています。また、他の自治体との連携については、まずは広域連携に取り組む予定の近隣の自治体に本市の取り組み内容を周知し、意向も確認しながら、対応を検討したいと考えています。以上です。 ○丹生谷利和議長 向田議員。 ◆向田将央議員 ありがとうございます。 また、以前、市長より人口動態や将来予測、産業構造や地域経済の動向分析などについて、既に本システムを活用しながら作業を進めているとお聞きしました。作業の成果及びその後の進捗状況をお聞かせください。
    ○丹生谷利和議長 山崎総合政策部長。 ◎山崎裕史総合政策部長 本市では、地方創生の実現に向けて、RESAS等さまざまなデータの分析を用いて、本年1月に人口ビジョン及び総合戦略を策定したところです。特に人口ビジョンの策定では、人口の自然増減や社会増減、将来人口推計といったデータを活用するとともに、製造品出荷額等や有効求人倍率などにより地域経済の現状分析等を行うことで、2060年に向けた人口の展望や市内総生産額の設定をすることができました。また、総合戦略では、産業の競争力強化として、地域経済に関する各種データの分析・活用を行うこととしており、既に本市の地域経済構造分析を行いました。今後も、総合戦略の効果検証等にRESASを活用することとしています。以上です。 ○丹生谷利和議長 向田議員。 ◆向田将央議員 ありがとうございます。 それでは、再び冒頭の大型商業施設に関連した話題に内容を戻したいと思います。今治市の商業施設はまだオープンしたばかりで、具体的な経済動向を把握することは、現状としてまだ難しい段階にあると思いますが、お隣、松前町にある大型商業施設の松山市への影響を把握することでこの今治市の商業施設が松山市に与える影響もおぼろげながら把握できるのではないかと思います。そこで、私たちの住むこの松山市と松前町を比較することで、松山市の経済状況について検証し、改めて市長に御質問いたしたいと思います。昨年6月議会において、私、向田将央は、松山市が平成16年から平成20年にかけて実施した事業、坂の上の雲まちづくりに関連して御質問をさせていただきました。この質問の中で、松山市がこの事業を行うに至った背景の一つとして、大型ショッピングセンターへの消費者の流出を掲げていることに触れさせていただきました。このとき、理事者からも松山市中心市街地の売り上げについての御回答の中で、平成16年には2,715億円だったものが、景気低迷や近隣自治体の大型ショッピングセンターの開業などにより、平成22年には2,179億円、25年には2,083億円と減少したことをお答えいただきました。このときは、テーマが坂の上の雲まちづくり事業でしたので、特に松山市中心市街地に絞った質問となりましたが、今回は枠を広げて、松山市全体と松前町を比較する形で御質問させていただきます。愛媛県のホームページに掲載されている市町民経済計算を参照しますと、古くは平成13年から最新の情報で平成25年までの松山市ほか県内市町の経済状況を見ることができます。最新の25年度の数字を見ますと、市町内総生産、つまりは生産活動に対する指標になるのですが、松山市の市内総生産は約1兆6,400億円、松前町の町内総生産は約900億円と松山市の総生産は松前町の約18倍の規模に上ります。また、所得の面から考えますと、松山市の市内総所得は約1兆2,800億円、松前町の総所得は約800億円となります。こちらも約16倍になります。一見すると松山市の経済規模の大きさだけに注目してしまいそうになりますが、これを経済成長率に注目してみますと、少し違った事情が見えてきます。経済成長率、つまり前年度と比較して今年度の経済がどの程度成長したかという数字です。まず、市町内総生産の成長率を見てみたいと思います。松前町の総生産は24年度と比較して25年度は7.4%成長しているのに対して、松山市は0.5%しか成長していません。一方、市民総所得で見てみますと、松前町の7.6%に対して松山市は3.9%。生産ほどにはないにせよ、その成長率は大きく差をあけられています。また、松前町の経済成長率は総生産と総所得の間で一定であるのに対して、松山市は総生産の成長率が0.5%、総所得の成長率が3.9%と、それぞれの成長率の間に開きがあるのも気にかかるところです。本来、生産と所得の数字は同じでなければならないはずなのですが、松山市の成長率が生産と所得で大きく異なっている理由の一つとして、雇用者報酬の問題が考えられます。具体的な事例を申し上げますと、松山市民が松前町の商業施設で働いて給与所得を受け取るようなケースです。生産活動を行っているのは松前町にある商業施設ですが、所得を受け取っているのは松山市民です。松前町の総生産と総所得の成長率がほぼ一定であるのに、松山市の場合、総生産の伸び率が総所得の成長率を大幅に下回っているという状況は、つまり松山市の働き先が大幅に不足していることをあらわしているのではないでしょうか。松山市民の働き先として、松山市内の企業ではなく、松山市以外の企業が選ばれる数がふえている傾向にあることを示しているのではないでしょうか。このことをとてもよく象徴しているデータがあります。こちらは、先ほど紹介した地域経済分析システムRESASを利用して、松山市の事業所で働く従業員数と松前町で働く従業員数を比較した資料です。こちらの資料によりますと、松山市で働く従業員の数は、平成21年には22万6,000人であったものが、平成24年には21万9,000人と約7,000人近く減少しています。一方、松前町では、平成21年に1万2,000人であったものが、平成24年には1万3,000人と上昇しています。ともにまだ安倍内閣がスタートする前のデータですので、どこまで現時点での経済状況を反映できているかは疑問の残るところがありますが、先ほど松山市の総生産と総所得の成長率に開きがある理由を裏づける資料としては十分なのではないかと考えます。市長にお伺いします。松前町の大型商業施設の設立後の松山市の影響から推測して、今治市にできた大型商業施設の設立は、松山市に対してどのような影響を与えるとお考えでしょうか。 ○丹生谷利和議長 平野産業経済部長。 ◎平野陽一郎産業経済部長 松前町の大型商業施設の開業後に松山市内の中央商店街を対象に調査を行った結果、リーマン・ショックやラフォーレ原宿松山の閉店なども重なり、空き店舗率は約5%上昇、通行量は1割強の減少が見られました。お尋ねの今治の商業施設の本市に対する影響については、現在、調査中の中央商店街の通行量や空き店舗調査の結果を注意しながら、影響を検証したいと考えています。以上です。 ○丹生谷利和議長 向田議員。 ◆向田将央議員 また、今後、松山市において市民の働き先を確保する上でどのような対策をとるつもりでしょうか、お聞かせください。 ○丹生谷利和議長 平野産業経済部長。 ◎平野陽一郎産業経済部長 市民の働き先の確保は、生活の自立と安定だけでなく、人口減少社会に対応するため、重要であると考えています。この4月の有効求人倍率は1.28倍と前年同月と比べて0.19ポイント上昇し、一定の働き先は確保されていると考えています。このような中、本市では雇用の拡大につながる製造業や情報通信関連企業などの誘致活動のほか、市内企業による増設・拡大への支援に努めるとともに、新たに企業の設備投資意欲に応えるための環境整備などに取り組みたいと考えています。また、この4月から開設した創業・経営・就労支援などの幅広いサービスをワンストップで提供するしごと創造の拠点での支援に加え、今後の事業拡大が見込まれるクリエーティブ産業の振興や男性による育児や女性の活躍を後押しし、親の介護による離職を防ぐため、テレワークを活用した在宅就労の促進など、求職者の多様なニーズに応えられるような働き先の確保に取り組みたいと考えています。以上です。 ○丹生谷利和議長 向田議員。 ◆向田将央議員 ありがとうございます。 先ほどと同じく、地域経済分析システムRESASを利用して、こちらにもう一つ資料を用意しました。こちらは、滞在人口率というデータです。上が平日、下が休日のデータを示しています。滞在人口率とは、簡単に言いますと、松山市に住んでいる人に比べて、平日及び休日にどれくらいふえているのかということを示した数字です。色が濃くなるほど滞在人口率が高いことを示しています。松山市で考えた場合、もともと松山市に住んでいる人の人口と松山市以外から松山市を訪問した人の合計が、もともとの人口の何倍になるのかという数字です。この数字が高ければ高いほど、松山市以外の地域から松山市を訪れた人がより多いということを示しています。このデータによりますと、平成25年、平日の松山市の滞在人口率が1.34倍、休日の滞在人口率が1.37倍となっております。一方、お隣、松前町の滞在人口率は、平日が2.26倍、休日が2.57倍となっております。つまり、もともとの人口に対して働き先もしくは観光先として松山市が選ばれる割合は、松前町よりも大きく下回っているということです。地域の面積やもともとの人口の違いがありますから一概に比較することはできませんが、松山市政の経済政策がお隣、松前町と比較しても明らかに後手に回っていることは明らかではないでしょうか。市長にお伺いします。このような松山市の閉塞した状況を克服するため、松山市では滞在人口率の増加に向けて、今後どのような経済政策をとっていくおつもりなのでしょうか、お聞かせください。 ○丹生谷利和議長 平野産業経済部長。 ◎平野陽一郎産業経済部長 本市の現状は、この4月の有効求人倍率が1.28倍となっていることや観光客が3年連続増加していること、アエル松山開業後の中央商店街の通行量が12%ふえていることなどから上昇傾向にあると考えています。お尋ねの滞在人口率の増加策についてですが、まず働き先を確保するため、積極的な企業誘致に努めるとともに、創業・経営・就労支援をワンストップで提供する支援拠点の設置などに取り組んできました。また、観光先として選ばれるため、瀬戸内・松山構想に基づく広域周遊ルートや旅行商品の開発を初めとして、松山城や道後温泉などでの各種イベントの開催あるいは修学旅行の誘致などに努めてきました。今後は、新たに産業連関表やRESASを活用した地域経済の循環性を高める施策の立案や、夏目漱石・正岡子規の生誕150年の記念行事、またJRグループと旅行会社・地域が一体となって展開する国内最大の集中送客キャンペーン四国DCの機会を捉えて、一層の滞在人口率の拡大につなげたいと考えています。以上です。 ○丹生谷利和議長 向田議員。 ◆向田将央議員 ありがとうございます。 では、次の質問です。松山市の観光名所の一つである道後温泉本館が、来年、えひめ国体の閉会後、大規模な改修工事に入ることが決まっています。これに関連して、観光客の減少を食いとめるための集客施設として、松山市道後地区周辺に水族館の建設を検討するよう、松山商工会議所や愛媛経済同友会などより申し入れがあったとの報道がなされました。そこで、お伺いします。3月議会において、私たち自民党議員団より原議員が水族館のことについて質問をしました。その際、松山市としては水族館の設立を検討課題に上げるとのことでした。民間のバックアップではなく、行政が主導となり、積極的に取り入れを考えているように感じましたが、この認識でお間違いないでしょうか。だとすれば、どこまでその実現性があるとお考えでしょうか、お聞かせください。 ○丹生谷利和議長 野志市長。 ◎野志克仁市長 本市では、松山創生人口100年ビジョン・先駆け戦略で戦略的観光振興で経済を活性化させることにしております。そうしたことから、本市として新たな観光誘客施設の可能性を探る調査を行うことにしておりまして、経済界を代表する団体から御要望をいただいた水族館もこの調査で検討します。今回調査する観光誘客施設は、行政が主体になって実施することを前提にしたものではなく、施設の種別や適地を初め経済効果のほか、さまざまな運営手法や採算性などを総合的に検証します。また、その実現性は、事業化する上で解決すべき条件や課題を検討する中で明らかにしたいと考えております。以上でございます。 ○丹生谷利和議長 向田議員。 ◆向田将央議員 再質問させていただきます。当初予算、水族館などの調査研究費用として調査費用は幾らだったでしょうか。幾らを計上したのか、改めてお伺いいたします。 ○丹生谷利和議長 向田議員、通告にございませんが。 ◆向田将央議員 わかりました、じゃあ質問を変えます。先ほど松山は主体ではやっていないということで言われてましたが、今回の水族館の建設に当たって調査をされると思うんですけれども、調査は松山市が総額で支払うと思うんですけれども、そこは申し込みがあった商工会とか、その方々にはお金は出していただかないんでしょうか。なぜ主体じゃないのに、調査は松山市単独なんでしょうか。 ○丹生谷利和議長 野志市長。 ◎野志克仁市長 自席より失礼して、再答弁をさせていただきます。先ほど申し上げましたとおり、本市として新たな観光誘客施設の可能性を探る調査を行うことにしておりまして、経済界を代表する団体から御要望いただいた水族館もこの調査で検討いたします。今回調査する観光誘客施設、行政が主体になって実施することを前提にしたものではありませんで、施設の種別や適地を初め経済効果のほか、さまざまな運営手法や採算性など総合的に検証するものでございます。 ○丹生谷利和議長 向田議員。 ◆向田将央議員 再質問をさせていただきます。水族館を建設するかどうかの調査に540万円もの税金を使うことが既に決まっています。540万円も使って調査した結果、水族館を建てないということもあり得るということでよろしいですよね。 ○丹生谷利和議長 野志市長。 ◎野志克仁市長 自席より失礼をして、再々答弁をさせていただきます。今回の調査は、本市にどのような施設が望ましいのか、経済効果はどうなのかなどを総合的に検証する中で本市で新たな観光誘客施設が実現できるかどうかを明らかにするものでございます。調査する観光誘客施設、行政が主体となって実施することを前提としているものではございません。以上です。 ○丹生谷利和議長 向田議員。 ◆向田将央議員 再質問させていただきます。私は540万円もの調査費をかける以上、水族館建設ありきで事が進んでいるのではないかと疑ってしまいます。調査する以前に、水不足をアピールしている松山市に水族館は不自然だとは思わないでしょうか、お伺いします。 ○丹生谷利和議長 野志市長。 ◎野志克仁市長 自席より失礼をして、答弁をさせていただきます。先ほど申し上げましたとおり、その実現性というのは、事業化する上で解決すべき条件や課題を検討する中で明らかにしたいと考えております。以上でございます。 ○丹生谷利和議長 向田議員。 ◆向田将央議員 再質問させていただきます。水族館建設などの調査研究費用540万円を計上するに至る前に、例えば水資源対策担当部長とかその関係する職員の中から、松山市は水が不足しているはずなのに、膨大な水を必要とする水族館を設立して、さらに西条から水をいただくというのはおかしいのではとかという、そういう声は上がらなかったのでしょうか、お伺いします。 ○丹生谷利和議長 向田議員、通告にそれはございません。 ◆向田将央議員 わかりました。松山市では、松山市の水不足問題に関連して西条からの分水計画がされていたと思うのですが、水族館運営には莫大な量の水が必要とされるはずです。もし検討されるのであれば、分水問題と整合性のとれたお答えを松山市民に対してお示しされるよう強くお願いいたします。 ○丹生谷利和議長 向田議員、要望のみの発言は、議会運営委員会でも申し合わせておりますとおり、認めておりませんので、御注意願いたいと思います。 ◆向田将央議員 では、次の質問に移ります。昨年6月議会の質問におきまして、私、向田将央は、現在莫大な更地状況のまま放置されている堀之内公園の利用方法について御質問させていただきました。その際、理事者から、堀之内の利用方法が限定されている理由として、次の3つの説明がありました。1、城山公園のそのほぼ全域が国から史跡指定され、文化財保護法の規制を受けていること、2、堀之内の地下には、江戸時代の貴重な文化財が残されていることから、文化財を後世に残すために、文化庁から史跡の適切な保存と活用のための整備事業を進めるよう指導を受けていること、3、ゆえに、江戸時代以外の時代背景を持つ新たな施設の建設は困難であること。市長にお伺いします。6月議会で私が御質問させていただいた以降、更地になっている堀之内では文化財を後世に残すため、史跡の適切な保存と活用がなされるための整備事業は何か行われたのでしょうか、お聞かせください。 ○丹生谷利和議長 青木都市整備部長。 ◎青木禎郎都市整備部長 堀之内では、昨年の6月以降、史跡の適切な保存と活用を目的にした事業は行っていませんが、これまでに完成している第1期整備エリアで適切な保存のための維持管理を行うとともに、今後整備を進める予定の第2期以降のエリアで発掘調査を行っています。以上でございます。 ○丹生谷利和議長 向田議員。 ◆向田将央議員 6月の質問での回答で、松山市は堀之内への新たな施設の建設が困難であることの理由として、城山公園はそのほぼ全域が国から史跡指定されていて、区域内は文化財保護法の規制を受けていることを上げていらっしゃいました。ですが、このような国指定史跡については、文化財保護法によりこのように規定されています。文化財保護法第125条、史跡、名勝、天然記念物に関し、その現状を変更し、またはその保存に影響を及ぼす行為をしようとするときは、文化庁長官の許可を受けなければならない。ただし、現状変更については、維持の措置または非常災害のために必要な応急措置をとる場合、保存に影響を及ぼす行為については、影響の軽微である場合はこの限りでない。また、私が信頼できるルートを通じて国土交通省、文部科学省に対して確認をしたところ、堀之内に建物が建てられないのは、文化財保護法が原因ではなく、松山市が堀之内を都市公園としたことが原因であるとの説明を受けました。同時に、国として現状変更をとめている事実はないとの返答もいただいています。つまり松山市が文化庁長官に対して申請を出し、許可を受けることができれば、現状変更を行うことは可能だということです。市長にお伺いします。松山市は文化庁長官に対して、先ほど述べた文化財保護法第125条に対する確認を行ったことはあるのでしょうか。確認したけれども、許可を受けることができなかったために、6月にいただいたような回答をされたのでしょうか、お聞かせください。 ○丹生谷利和議長 青木都市整備部長。 ◎青木禎郎都市整備部長 文化財保護法第125条に関する確認については、これまでの第1期整備を初め掘削を伴う現状変更を行う場合は、その都度文化庁と事前に協議し、確認を行っています。中でも、堀之内を含む松山城跡は、江戸時代の城郭遺跡として全国的にも極めて貴重であることから、文化財保護法で国の史跡に指定され、現状変更が厳しく制限されています。そのため、滑り台やブランコといった遊具の設置でさえ、平成26年6月4日に行った文化庁との事前協議の段階で、史跡の保存や歴史的価値の向上に寄与しないと判断され、現状変更の申請が認められませんでした。そうしたことから、以前御質問いただいたような大規模施設については、当然ながら申請すら認められず、その建設は不可能であると認識をいたしております。以上でございます。 ○丹生谷利和議長 向田議員。 ◆向田将央議員 また、市長からは、堀之内の活用方法として中心市街地の活性化にもつながる集客力のあるイベントが年間を通じて開催されているとのお答えもありました。確かに堀之内では数多くの催し物が開催され、市内外より数多くの観光者がイベントを利用しています。ですが、あの場所にスペースをもっと有効活用できる屋根つきドーム型の施設があれば、イベントの可否が天候に左右されず、出展者も安定した収入が確保できるのではないでしょうか。4月、熊本では都市型の大地震が発生しました。愛媛県では、特に南海トラフ地震の発生が懸念されています。特に熊本に似た都市構造を持つ松山市としては、熊本地震や阪神大震災のような火災や建物の倒壊、とりわけ避難場所の確保は非常に大切な問題となります。以前、野志市長からは、堀之内のスペースが災害時の広域避難場所として活用できるとのお答えをいただきました。ですが、大地震が起きた際に、直射日光を避ける場所もない、雨風をしのぐ場所もない、寝泊まりもできない広域避難場所にするよりも、あの空間に被災者を必要な期間滞在させることができる耐震性にすぐれた屋根つきで多くのトイレがある大型の施設があれば、支援物資の集積基地になり、被災者の避難所としても非常に有効に活用できる災害拠点となるのではないでしょうか。改めて市長にお伺いします。文化財保護法第125条において、国指定史跡に対して現状変更を行う方法が定められている以上、市民に対して正確な情報を発信し、改めて本当に意義のある堀之内公園の利用方法について意見を募集し、客観的な立場から議論を行うことも選択肢に入れるべきではないでしょうか、お聞かせください。 ○丹生谷利和議長 青木都市整備部長。 ◎青木禎郎都市整備部長 堀之内の利用方法については、平成12年3月の城山公園(堀之内地区)整備計画の策定や平成22年3月に完了した第1期整備で市民アンケートを行い、文化庁を初め関係機関と合意形成を進める中で、可能な限りその意見を反映してまいりました。そうしたことから、これら整備済みのエリアでは、利用方法について改めて意見を募集することは考えていません。今後の第2期以降の整備に当たっては、ホームページなどで文化財保護法に基づく史跡の現状変更に関する制限の具体的な事例を示すなど、これまでと同様、正確な情報をわかりやすく発信しながら、可能な限り市民の意見を反映していきたいと思っております。以上でございます。 ○丹生谷利和議長 向田議員。 ◆向田将央議員 ありがとうございます。 次に移ります。最後に、廃棄物に伴う排出事業者の責務についてお伺いいたします。事業活動に伴って生じるごみというのは、家庭から出るごみに比べ種類が多く、処理の流れも複雑なため、事業者の皆様自身も分別や処理方法について、いまだに理解不足や誤解をしている方が多数いるように思います。こちらに事業者用ごみ分別はやわかり帳があります。廃棄物対策課が把握している全ての約1万8,000の事業所に配布されていると聞き及んでおります。廃棄物処理法では、事業活動に伴い生じた廃棄物は排出者みずからの責任において処理することが責務とされており、このはやわかり帳の冒頭におきましても、廃棄物の処理を許可業者に委託したからといって、その責任がなくなるわけではない、委託した業者が不適正な処理を行った場合は、事業者自身が責任を追及される立場となるとあり、つまりは事業活動に伴って生じた廃棄物の分別処理責任はもともと排出した事業者にあるということです。そこで、お伺いします。スーパーやコンビニ、飲食店など排出事業者に対して生ごみと容器の分別など、どのような指導をされているのでしょうか、お聞かせください。 ○丹生谷利和議長 大野環境部長。 ◎大野彰久環境部長 排出事業者は、廃棄物をみずからの責任で適正に処理しなければならないことから、本市では廃棄物の分別や処理方法などについて、排出事業者に十分に理解してもらうため、事業者用ごみ分別はやわかり帳や事業系ごみの適正処理を啓発するチラシを作成し、配布しています。また、排出事業者等で組織する各種団体の会合などに職員を講師として派遣していることに加え、市民からの情報提供や廃棄物処理業者への立入検査で適正に分別されていない排出事業者が判明した場合などには、個別訪問による指導を行っています。こうしたさまざまな機会を捉え、食品残渣などの生ごみは事業系一般廃棄物、弁当容器やペットボトルといった廃プラスチック類は産業廃棄物とするなど、廃棄物の種類に応じて正しく分別した上で、それぞれの許可を有する業者に処理を委託するよう指導しています。以上でございます。 ○丹生谷利和議長 向田議員。 ◆向田将央議員 また、例外なく分別の指導、徹底はできているのでしょうか、お聞かせください。 ○丹生谷利和議長 大野環境部長。 ◎大野彰久環境部長 排出事業所で発生するごみには、事業系一般廃棄物と産業廃棄物があり、分別が複雑であるなどの理由から、事業所によってはいまだに廃棄物の分別が徹底できていない状況も見られます。そこで、本市では、先ほど答弁したとおり、事業所で発生するごみの分別や処理方法について周知徹底するため、廃棄物の品目を五十音別に整理した一覧表や産業廃棄物の種類等について、実例を交え、イラストも掲載するなど、わかりやすくまとめた事業者用ごみ分別はやわかり帳を作成し、広く排出事業者に配布しています。また、市民からの情報提供や許可業者への立入検査等で得られた情報に基づき、分別が徹底できていない排出事業者が判明した場合には、個別訪問し、適正に分別するよう指導しています。今後も、このような取り組みを継続するとともに、可能な限り、多くの事業者に対し適正処理の指導を徹底する方法を検討してまいりたいと考えています。以上でございます。 ○丹生谷利和議長 向田議員。 ◆向田将央議員 また、排出業者が間違った分別や処理をされていないかは、どのように確認をされているのでしょうか、お聞かせください。 ○丹生谷利和議長 大野環境部長。 ◎大野彰久環境部長 本市では、廃棄物処理業者への立入検査や排出事業者への立ち入り指導の際に、廃棄物の種類やマニフェストなどによって廃棄物の適正な分別、処理が行われているかを確認しており、生ごみ等の一般廃棄物がプラスチック等の産業廃棄物に混入するなど、間違った処理が行われていた場合には、排出事業者に対し適正な処理を行うよう指導しています。また、事業系一般廃棄物は、市のクリーンセンターで搬入された廃棄物を目視で確認しており、産業廃棄物が持ち込まれた場合には適正に分別するよう指導し、その後も改善が見られない場合には、個別に排出事業者を指導しています。今後もこうした取り組みを継続し、廃棄物の適正処理の確保に努めてまいりたいと考えています。以上でございます。 ○丹生谷利和議長 向田議員。 ◆向田将央議員 再質問させていただきます。排出業者に廃棄物の責任があることは理解できましたが、排出事業者が処理業者に処分を委託して、マニフェストも正しく処理されている場合でも、排出業者に責任はあるのでしょうか、お聞かせください。 ○丹生谷利和議長 大野環境部長。 ◎大野彰久環境部長 自席から失礼して、再答弁させていただきます。排出事業者は、廃棄物の処理が完了するまで、その廃棄物に対する処理責任を負います。そうしたことから、許可業者に委託したらそれで責任がなくなるということではありません。また、マニフェストが適正に処理されていたとしても、委託業者が例えば不法投棄など不適正な処理を行った場合には排出事業者の処理責任が問われまして、措置命令の対象になり、回収等の義務が生じることもあります。以上でございます。 ○丹生谷利和議長 向田議員。 ◆向田将央議員 再質問させていただきます。処分の料金を支払っている排出事業者にとっては、理不尽だとは思わないでしょうか。それでは、排出事業者はどのようにすればいいのか、具体的にお示しください。 ○丹生谷利和議長 大野環境部長。 ◎大野彰久環境部長 自席から失礼して、再々答弁をさせていただきます。許可業者に任せるだけでなく、みずからが収集運搬や処分の状況を確認するように努めることが求められておりまして、排出事業者はやはり実地確認などもしていただければと思っております。その他、書面で必要な事項については、しっかりとその契約書を交わすということも大切なことであるというふうに考えております。以上でございます。 ○丹生谷利和議長 向田議員。 ◆向田将央議員 以上で、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。 ○丹生谷利和議長 以上で、向田議員の一般質問を終わります。 次に、菅議員。 〔菅 泰晴議員登壇〕 ◆菅泰晴議員 おはようございます。松山維新の会の菅 泰晴でございます。 質問に入ります前に、本年4月14日に発生した平成28年熊本地震以降、熊本県と大分県で相次いで発生している一連の地震により、甚大な被害を及ぼし、多くのとうとい命が失われました。改めまして犠牲になられた方々に謹んで哀悼の意を表しますとともに、被災された全ての方々に心からお見舞いを申し上げます。それでは、質問に入らせていただきます。 まず初めに、熊本地震に関連して、木造住宅の耐震化について数点お伺いいたします。皆様も御存じのとおり、熊本地震が発生したのは先々月のことですが、4月14日21時26分に震度7の地震があり、4月16日1時25分に震度7の本震がありました。短時間で2度もの震度7の大きな地震が起こったことになります。これだけの規模の地震が短時間で起こったことは想像もつきませんでした。5月31日の国土交通省のホームページによりますと、地震回数については震度4以上が106回で、全体では1,612回でした。16日の本震のときには、松山でも震度4程度の地震があったと記憶していますが、私もびっくりして目が覚めました。同規模の揺れが106回を超える状況は驚くばかりで、その恐怖ははかり知れません。また、6月1日の熊本県災害対策本部のホームページによりますと、相次ぐ地震により亡くなった人は、熊本県内の7つの市町村で49人であります。このほか、避難生活による体への負担や持病の悪化などによって亡くなったと思われる人は20人であり、合わせて69人も及ぶとうとい命が亡くなりました。また、重軽傷者に至っては1,736人でした。住宅の被害状況については、全壊が6,905棟、半壊が1万9,877棟、一部損壊が9万1,946棟で、現在21の市町村で171カ所もの避難所が設定されており、避難者は減少しているものの、今なお7,863人もの方が避難所生活を余儀なくされています。阪神・淡路大震災で倒壊した建物は、現在の耐震基準を満たさない昭和56年以前の建物の被害がほとんどでありました。住宅の耐震化を行うことにより倒壊などによる死者数を減らすのはもちろんのこと、火災などによる死者数も大幅に減らすことができます。また、地震で建物が倒壊すると、避難路を塞いで、周囲の人々の避難の妨げになり、二次災害を引き起こす要因にもなってきます。したがって、建物の耐震化は地震が引き起こすさまざまな被害を最小限に食いとめるための有効な手段であると考えています。こうした中、本市では耐震化をより進めるに当たって、平成26年度より改修費用の増額をし、さらに平成28年度から木造住宅耐震診断事業を拡充し、従来の補助制度に加えて、新たな取り組みとして派遣制度の導入をしています。 そこで、まず1点目の質問は、事務手続が軽減され、気軽に申請できるとしてスタートした新制度ですが、今年度新たに導入した派遣制度と従来型の補助制度の申請件数及び申請件数が増加した理由についてお伺いします。 次に、2点目として、耐震診断の申込件数が受け付け開始から3日間で予定の120件に到達し、その後は仮受け付けをしていると聞いておりますが、補正予算で追加を500戸にした理由についてお伺いします。 また、3点目として、耐震診断が年度内に完了する見込みについてお伺いします。 次に、本市の災害時の廃棄物処理についてであります。これまでに阪神・淡路大震災や東日本大震災といった幾多の大地震に見舞われており、そのたびに災害廃棄物の問題が発生していますが、さきの木造住宅の耐震化で述べましたように、多くの家屋が倒壊し、瓦れき等の災害廃棄物が大量に発生しました。さらに、これらの廃棄物を処理すべき自治体のごみ処理施設も被災し、災害廃棄物だけでなく、生活ごみの処理についても滞っていると伺っております。被災地では、これから梅雨や夏を迎え、衛生上の問題が生ずることが非常に懸念されますので、被災者の日常生活に大きな支障が生じるのではないかと心配するところです。こうした中で、本市からの被災地への支援として、廃棄物処理を行う職員や廃棄物運搬車両を派遣したと聞き及んでおります。本市の派遣職員は非常に困難な状況の中で、被災地のために大いに貢献していると聞いていますが、こうした取り組みが被災地の皆様が一日でも早く日常生活を取り戻すことにつながることを願っております。さて、今回の地震を初め、これまで我が国で発生した災害に際し本市が行ってきた被災地への支援や国、自治体などとの連携を踏まえ、本市としても近い将来、発生が危惧される南海トラフ地震を初めとする大規模災害に対し、その備えを強化しているものと存じます。そこで、本市の災害時の廃棄物処理の現状についてであります。 まず、発生が懸念されている南海トラフ巨大地震規模の大規模災害が発生した場合の本市で発生すると想定される災害廃棄物量についてお伺いします。 次に、本市の災害廃棄物処理計画については、国が努力目標として掲げる平成30年度までの策定を目指し、準備を進めると伺っておりますが、現在の進捗状況についてお伺いします。 また、今回の地震ではごみ処理施設が被災し、市民生活に大きな影響が生じていると伺っています。現時点における本市のごみ処理施設の地震への備えはどのようになっているかについてお伺いいたします。 次に、障がい者の就労支援についてお尋ねします。本年4月に、全ての国民が障がいの有無によって分け隔てられることなく相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に向け、障がい者差別の解消を推進することを目的として、公的機関や民間事業者に対して障がい者への不当な差別を禁止する障害者差別解消法と改正障害者雇用促進法が施行されました。また、6月3日には、障害者総合支援法及び児童福祉法の一部を改正する法律、発達障害者支援法の一部を改正する法律が公布され、障がい者がみずからの望む地域生活を営むことができるよう、生活と就労に対する支援などの一層の充実が図れることとなっています。先日、働きたい障がい者の受け皿、ふえるA型事業所、チャンスを与える社会であって、採用や企業の理解が必要という新聞の記事が目にとまりました。障がい者が雇用契約を結び、給料をもらいながら企業への就職を目指して働く就労継続支援A型事業所が県内でふえている。障害者総合支援法に基づく就労支援事業への民間企業の参入が加速、2006年度1カ所であった事業所が、2015年度には61カ所、定員1,190人にふえているとのことでした。また、ホームページ作成や動画加工などを行うNPO法人で働く27歳の発達障がいの女性が紹介されていました。「発達障がいがわかったのは23歳のころ。高校卒業後、アルバイトや一般企業への就職を経験したが、予測することが苦手で、臨機応変に対応できず、口答指示の理解に時間がかかった、やがてついていきにくくなって退職したが、今は1人で任せてもらい、責任感はあるが、自分で考えながらつくれるのがおもしろい」と、やりがいと働くチャンスの提供について語られていました。そこで、働く意欲のある障がいのある方が、生きがいや働きがいのある生活を送ることができる社会の実現を願い、以下の質問をします。 まず、就労支援の事業についてですが、障害者総合支援法の就労支援の事業には、就労移行支援事業、就労継続支援A型事業、就労継続支援B型事業の3つの事業があります。就労移行支援事業所は、一般就労を希望される方が事業所内や企業で作業や実習を行い、障がいの特性に応じた職場を探し、就職後の職場で支援を受ける事業所です。就労継続支援A型事業所は、就労移行支援事業を利用しても就職に結びつかなかった方、就職活動をしても就職ができなかった方、企業などを離職した就職の経験がある方などが、事業所と労働契約を結び、就労を通じて一般就労に向けた支援を受ける事業所です。就労継続支援B型事業所は、就労移行支援事業を利用しても、就職や就労継続支援A型事業の利用に結びつかなかった方が、雇用契約を結ばず、就労や生産活動をする中で、工賃を受け取りながら、一般就労に向けた支援を受ける事業所ですが、質問の1点目は、本市の3つのそれぞれの事業所数と利用定員数の推移をお伺いします。 次に、就労継続支援A型事業所では、事業所と利用者の間で雇用契約が結ばれるため、基本的に最低賃金が保障されていますが、就労継続支援B型事業所の工賃は最低賃金を下回る低い水準にあります。質問の2点目は、本市の就労継続支援A型事業所での賃金と就労継続支援B型事業所での工賃の推移をお伺いします。 就労支援の事業所では、それぞれの利用者に応じた一般就労に向けた個別支援が着実に行われると思っております。また、それぞれの事業所では、印刷、クリーニング、IT、農業、食料品や雑貨の製造などさまざまな就労や生産活動が行われており、障がいのある方の能力を引き出し、ITや農業など特色ある生産活動を行うことで、賃金や工賃の向上の取り組みも進められています。また、本市においては、これまでもいよてつ高島屋でハートフルプラザ松山が就労支援の事業所などで製作したクッキーや雑貨を販売する事業や古着や廃食用油を障がい者が回収する障がい者工賃レベルアップ支援事業を実施するなど、障がい者の就労支援と工賃向上に取り組んでいますが、障がい者の就労支援促進のためには、国の施策だけじゃなく、地域独自で取り組むべきであると思います。そこで、質問の3点目は、今後の本市の障がい者就労支援と工賃向上の取り組みについてお伺いします。 次に、下水道経営の方向性についてお尋ねします。先日、下水道事業初の黒字化という新聞記事を見ました。この記事には6月7日に開催された下水道事業経営審議会のことが書かれており、2015年の純利益を8億2,275万円見込んでいることや、熊本地震に関連した地震対策のほか、今年度あと3回審議会を開催し、2017年から2026年までの下水道事業経営戦略を市に答申することが掲載されていました。本市の下水事業では、第3次松山市下水道整備基本構想で平成34年までの黒字化を目標にしていましたので、今回の黒字化は目標年次を大幅に前倒ししたことになります。これまで、下水道事業は平成20年度に四国で初めて企業会計を導入し、企業債残高の減少や下水処理場の包括委託、昨年度からは下水汚泥から出る消化ガスを利用した売電事業に取り組むなど、これまで積極的な経営改善を進めており、また昨年度からは中長期的な経営計画である経営戦略の策定に取りかかるなど、先を見据えた計画をつくっている最中であるとお聞きしていましたので、このような取り組みの積み重ねが今回の大きな成果につながったのではないかと思います。しかしながら一方、本市の下水道事業にはこれまでの赤字が累積された70億円を超える欠損金がありますので、今後も経営を安定的に黒字化させ、この欠損金解消に努めなければなりません。このような中、下水道事業経営をめぐる環境は、人口減少社会の到来や老朽施設の更新及び熟練者退職による技術継承問題のほか、局地的な大雨等による都市型水害や大型台風、南海トラフ巨大地震などの自然災害にも備えなければならないという非常に厳しい状況にあります。特に人口減少については、昨年示された本市の松山創生人口100年ビジョンで総人口が1965年以降、一貫して増加し、2010年には51万7,000人に達していましたが、その後、減少し、2040年には43万8,000人と2010年のピーク時から15%余りも減少する見込みであると分析されていました。このように、人口減少が進むとなると、下水道事業の根幹をなす使用料収入も減少し、今後の普及拡大などにも影響が出ます。また、さきの熊本地震でもインフラの耐震化が問題となっていましたが、耐震化や今後増加する老朽施設の更新などの財源確保も大きな経営課題であります。現在取り組んでいる経営戦略では、将来にわたり安定的に事業を継続していくため、このような経営問題を分析し、財政計画と投資計画を均衡させた中長期的な経営計画を立てると聞いていますので、策定過程の中で、今後、本市の下水道事業が向かうべき経営の方向性なども少しは見えてきたのではないでしょうか。そこで、下水道事業経営に関する3つの質問をさせていただきます。 まず1点目は、黒字化の要因と現在の経営状況の認識についてです。このたび、平成20年度の企業会計導入時に目標として定めていた単年度収支の黒字化を果たしたわけですが、今回、予定を大幅に前倒しして黒字化できた要因は具体的にどのようなものが上げられるのか、お伺いします。また、今回の黒字化で、一旦下水道事業の経営は安定したかのようにも思いますが、現在の経営状況について、市長はどのような認識をお持ちなのか、お伺いします。 2点目は、下水道事業が抱える課題と今後の取り組みについてです。このたびの経営審議会では、(仮称)松山市下水道事業経営戦略の方向性を諮問し、これまで経営戦略で取り組んできた本市の下水道事業が抱える経営課題の分析などの経過報告を行ったようですが、今回の分析で見えてきた本市の経営課題としてはどのようなものがあり、その課題を解決するためにどう取り組んでいくのか、お伺いします。 3点目は、消化ガス発電事業の収入増加理由と今後の収入見込みについてです。下水汚泥から発生する消化ガスを利用し、国の固定価格買取制度を利用した売電事業を立ち上げ、新たな収入を生み出したことは、独立採算の企業会計として、より民間に近い経営感覚で費用対効果を考えた積極的な取り組みであると評価しているところです。今回の経営審議会では、平成27年度決算見込みとして、売電による売り上げが約1億6,700万円と、予定していた1億2,000万円を大きく上回っていたようですが、このように収入が増加した理由についてお伺いします。また、順調な滑り出しではありますが、最近では太陽光発電の買い取り単価が下がっているとの報告もありますので、今回の売電事業について、いつまで収入が担保され、安定した経営が続けられるのか、気になります。そこで、固定価格買取制度を利用した売電期間と今後の収入見込みについてお伺いします。 最後に、連携中枢都市圏構想についてであります。我が国の人口は2008年にピークを迎え、その後は過去に類を見ない勢いで急速な減少傾向に入っており、早急に対策を行わなければ、人口という都市の活力の源を失っていくことになってしまいます。このような中、2014年12月に閣議決定されたまち・ひと・しごと創生総合戦略において、連携中枢都市圏の形成等の広域連携の取り組みが進められることになりました。この連携中枢都市圏構想の目的は、地域において相当の規模と中核性を備える圏域の中心都市が近隣の市町と連携し、コンパクト化とネットワーク化により経済成長の牽引、高次都市機能の集積、強化及び生活関連機能サービスの向上を行うことにより、人口減少、少子高齢社会においても一定の圏域人口を有し、活力ある社会経済を維持するための拠点を形成することであり、複数の自治体間で連携していくことは、行政サービス水準を維持していくためにも有効な手法であると思われます。また、圏域における役割分担としては、経済成長の牽引と高次都市機能の集積、強化について、主に連携中枢都市が中心となって実施することが想定されており、地域公共交通、ICTインフラ、交通インフラなどの整備等といった物理的なネットワークに加え、企業間連携や救急医療提供体制などの都市機能のネットワークを強化することで、連携市町の住民がその便益を享受できるようにすることが極めて重要とされています。一方、国の財政措置についても、連携市町に比べ連携中枢都市に手厚い措置がなされていることからも、中枢都市が圏域においてリーダーシップを発揮していくことが求められると思います。平成28年5月1日現在、15の圏域で連携中枢都市圏が形成されている中、愛媛県内で唯一連携中枢都市の要件を満たす本市においても、伊予市、東温市、久万高原町、松前町、砥部町と3市3町による松山圏域の形成に向けて、現在その取り組みを進めているところであり、先日、6月2日には第2回松山圏域活性化戦略会議が開催され、3市3町の首長同席のもと、産業、大学、医療、福祉など、約30名の関係団体の方々が出席されました。この中で、松山圏域の目指すべき将来像とその実現に向けた具体的取り組みなどを示したまつやま圏域未来共創ビジョン公表案について、各委員の皆様に御了承をいただいたとお聞きしています。このまつやま圏域未来共創ビジョン公表案は、連携中枢都市圏構想を進めるさまざまな主体の共通の指針となるものであり、計画期間を平成28年度から平成32年度の5年間とし、将来にわたって圏域住民の暮らしと経済を守るとともに、圏域が一体的かつ持続的に発展できるよう、産学金官民が連携して策定するものです。今後は、このビジョンで示された具体的取り組みに基づき、各市町との協議が調ったものから順次、連携事業が開始されていくものと思います。 そこで、質問の1点目として、松山圏域の連携中枢都市圏形成に向けた取り組みについて、圏域内住民や団体の意見反映、連携中枢都市圏ビジョン公表案策定に至るまでの経緯をお伺いします。 次に、連携協約についてであります。連携中枢都市圏形成に係る連携協約については、地方自治法に基づきそれぞれの市町の議会の議決を得た後に締結されるものです。この連携協約には圏域全体の経済を牽引し、住民の暮らしを支えることなど、連携中枢都市圏形成に係る基本的な目的や行政及び民間機能のコンパクト化、ネットワーク化を進めることなど、さまざまな分野で連携を図る旨を基本方針として示すとともに、連携する取り組みについても規定することとされています。松山圏域の各市町においては、それぞれ6月議会に連携協約の締結に関する議案が提出され、審議されるとお伺いしています。本市においても、5市町との連携協約締結に関する議案が今議会に提出されているところです。そこで、質問の2点目として、松山圏域における連携協約の特徴をお伺いします。 次に、今後の推進方策についてであります。松山圏域における連携中枢都市圏の取り組みの推進体制については、3市3町の市町で構成する松山圏域連携協議会で具体的取り組みの協議を行い、6首長に40の関係団体を加えた松山圏域活性化戦略会議で効果検証を実施していくものと思います。ビジョンに位置づけられた具体的取り組みについては、それぞれの分野ごとに成果目標が設定されていることから、今後はこれらの指標に基づいた検証や取り組みの追加などを必要に応じて実施していくことが想定されます。そこで、質問の3点目として、連携中枢都市圏の取り組み全般に対する今後の具体的な推進方策をお伺いします。 以上で、私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。 ○丹生谷利和議長 これより答弁を求めます。野志市長。 〔野志克仁市長登壇〕 ◎野志克仁市長 菅議員に、連携中枢都市圏構想についてお答えいたします。 私は、人口減少社会を迎えるに当たって、松山市が地域の拠点としてリーダーシップを発揮し、近隣市町と互いに助け合いながら経済を活性化させ、行政サービスを向上させることなどが必要であると考え、この連携中枢都市圏の形成に取り組むことにいたしました。 そこで、策定に至るまでの経緯などについてですが、平成27年6月に総務省から、新たな広域連携促進事業の委託団体として選定を受けた後、連携中枢都市圏形成に向けて、各市町と具体的な協議を開始しました。その後、3市3町の首長での松山圏域連携協議会や行政と産業・大学・医療・福祉などさまざまな分野の団体で構成する松山圏域活性化戦略会議を設置しました。この戦略会議では、各取り組みへの具体的な事業を提案するとともに、人口減少対策への取り組み姿勢や松山圏域の将来像など、連携中枢都市圏ビジョンへの御意見をいただきました。また、圏域の住民2,000人を対象にアンケートを実施したところ、自然を身近に感じながら暮らせることや、経済・都市機能はもちろん、生活関連機能の向上を望む声が多く寄せられ、戦略会議からの御意見と合わせ、具体的取り組みや圏域の将来像などに反映しました。そして、3市3町で住民へのパブリックコメントを実施した後、今月2日に連携協議会と戦略会議で了承を得ました。 次に、連携協約の特徴についてですが、人口減少・少子高齢社会にあっても、松山圏域での住みやすさや行政サービスの向上に向けて、医療、福祉、介護、子育て、防災、環境保全、観光などの幅広い分野に力を入れていることが特徴であり、その結果、連携取り組み数は59件とほかの圏域と比べ多くなっております。 次に、今後の推進方策についてですが、ビジョンで本圏域の連携方針や具体的取り組みが示されましたので、その詳細を引き続き3市3町で協議し、調整を行うなど、各市町と連携して進めていきたいと考えております。また、進行管理は、分野ごとに設定している成果指標で毎年度戦略会議で効果検証を行い、連携の取り組みを深めていきたいと考えております。 そのほかの質問につきましては、関係理事者からお答えいたしますので、よろしくお願いいたします。 ○丹生谷利和議長 西市社会福祉担当部長。 〔西市裕二社会福祉担当部長登壇〕 ◎西市裕二社会福祉担当部長 菅議員に、障がい者の就労支援についてお答えいたします。 まず、就労支援の事業所及び利用定員の推移についてですが、就労移行支援事業所は、障害者自立支援法が施行された平成18年度末、2カ所、27人定員が、平成27年度末には17カ所、202人と増加傾向にあります。就労継続支援A型事業所は、平成18年度末、1カ所、20人定員が、平成27年度末には34カ所、664人、就労継続支援B型事業所は、平成18年度末、1カ所、20人定員が、平成27年度末には51カ所、1,048人と両事業所ともに大幅に増加しています。 次に、A型、B型事業所の工賃についてですが、A型事業所平均工賃月額は平成25年度5万8,712円、平成27年度6万882円で2,170円増加し、B型事業所は平成25年度1万4,675円、平成27年度1万5,048円で373円増加しています。 次に、障がい者就労支援の取り組みについてですが、福祉総合窓口に配置している障がい者就労支援専門員が就労相談や企業への同行訪問をするとともに、ハローワークやえひめ障がい者就業・生活支援センターとも連携しながら、就労に向けた支援に取り組んでいます。次に、工賃向上の取り組みについてですが、今年度から庁内各課に優先調達推進員を配置し、障害者就労支援施設などから積極的に物品や役務を調達することに努めています。また、ハートフルプラザ松山での障害者就労支援施設などで製造製作するクッキー・小物雑貨などを販売する事業や障がい者が古着・廃食用油を回収する障がい者工賃レベルアップ支援事業を今後も継続して実施し、就労の機会の創出と工賃向上に取り組んでいきます。以上でございます。 ○丹生谷利和議長 大野環境部長。 〔大野彰久環境部長登壇〕 ◎大野彰久環境部長 菅議員に、本市の災害時の廃棄物処理についてお答えします。 まず、本市で予測される災害廃棄物の発生量についてですが、平成25年12月に公表された愛媛県地震被害想定調査では、南海トラフ巨大地震発生時の最大発生量は、瓦れき220万トン、津波堆積物60万トンとされてきました。しかし、本年4月に公表となった愛媛県災害廃棄物処理計画では、平成26年3月に環境省が示した災害廃棄物対策指針に基づき、廃棄物の算出方法が見直された結果、瓦れき478万トン、津波堆積物25万トンと推計されており、これは本市の年間ごみ排出量の約32年分に相当する量です。 次に、本市の災害廃棄物処理計画策定に関する進捗状況についてですが、先ごろ、愛媛県より県の処理計画及び市町が処理計画を策定する際の指針となるガイドラインが公表され、その中で県の処理計画等との整合を図ること、組織体制の整備、仮置き場の選定方法や避難所ごみ、災害廃棄物、し尿の処理方法の確立等について検討することが求められています。そこで、現在本市では、被災した自治体等から情報収集を行うとともに、庁内検討会を早期に立ち上げ、災害時に生じる問題を洗い出し、さらには被災地支援に派遣した職員が現場で得た知識・経験を生かし、緊急時のごみ分別ルールの簡素化や衛生面に配慮した生ごみなど、可燃ごみの優先収集の仕組みづくりについても検証し、その結果を計画策定に向けての基礎資料とすることにしています。また、来年度には有識者などに意見を伺いながら、具体的な対応策を検討し、平成29年度末の策定を目指したいと考えています。 次に、ごみ処理施設の地震への備えについてですが、現在、本市が保有し、稼働している焼却施設2施設及び最終処分場2施設は、震度6強から7程度の地震を想定した新耐震基準に基づいて設計、施工しています。こうした中、今回の熊本地震では、新耐震基準が適用された施設でも、ボイラーなど関連設備が損傷した事例もあり、復旧に時間を必要としたことから市民生活に大きな影響がありました。こうしたことから、本市としましては、災害時の対応をまとめた施設運営マニュアルを再検証し、今回の熊本地震のような不測の事態にも速やかに運転が再開できるよう、人員確保や迅速な点検及び補修の検討、さらには部品や薬剤等の調達を速やかに行うため、施工プラントメーカー等との協力体制を構築していきたいと考えています。以上でございます。 ○丹生谷利和議長 隅田開発・建築担当部長。 〔隅田完二開発・建築担当部長登壇〕 ◎隅田完二開発・建築担当部長 菅議員に、木造住宅の耐震化についてお答えします。 まず、派遣制度と補助制度の申請件数及び増加した理由についてですが、6月13日の時点で当初予定の120件と仮受け付けの250件、合わせて370件の申請があり、そのうち派遣制度は331件、補助制度は39件となっています。増加した理由については、4月に発生した熊本地震の影響により、近い将来起こり得る南海トラフ地震に備えようと市民の危機意識が高まったこと、また本市と愛媛県建築士会が業務委託契約を結ぶことにより、申請時に係る業者選定や見積書の添付が不要になるなど、市民の負担を軽減する派遣制度を導入したことが主な要因であると考えています。 次に、補正予算で追加を500戸とした理由については、仮受け付け戸数が既に200戸を超えていることや、現在の申請状況を踏まえ、委託先である建築士会に要請し、実施可能な戸数について協議が調ったことから、追加戸数を500戸、当初と合わせて年間620戸としています。 次に、耐震診断が年度内に完了する見込みについては、建築士会に派遣技術者を増員するなどの措置を講じていただいたことから、年度内に予定している620戸の耐震診断は完了できる見込みであります。今後も、市民の生命・財産を守り、安全・安心なまちづくりを進めるため、住宅の耐震化を支援してまいりたいと考えています。以上です。 ○丹生谷利和議長 柳原下水道部長。 〔柳原 卓下水道部長登壇〕 ◎柳原卓下水道部長 菅議員に、下水道事業経営の方向性についてお答えいたします。 まず、黒字化の要因ですが、支出面では補償金免除繰上償還制度で金利の高い企業債の返済による後年度の利子負担の軽減や市場金利の低下による支払い利息の減少に加え、処理場の維持管理に包括的な業務委託を取り入れたことなどによるコスト縮減が挙げられます。一方、収入面では、積極的な接続勧奨に加え、新たに住民要望制度と私道共同排水設備助成制度などの創設により収入増加を図ったことや、平成27年度に運転を開始した消化ガス発電事業の利益などが挙げられます。また、汚水処理に必要な維持管理費を賄うため、平成25年度に実施した使用料改定も黒字化の大きな要因の一つと考えています。次に、現在の経営状況の認識については、企業会計を導入した平成20年度に約20億円ありました赤字を、目標年次を前倒しして黒字化したので、経営状況は一定改善していると考えています。しかしながら、依然1,341億円を超える多額の企業債などが経営を圧迫している上、これまでの赤字で累積された70億円の欠損金を抱える厳しい経営状況であると認識しています。 次に、下水道事業が抱える課題については、今後増加する老朽施設の更新と耐震化などに加え、多額の支払い利息の負担や将来的には人口減少に伴う使用料収入の減少などが考えられます。また、今後増加する更新事業に係る人員の確保や専門的な知識・技能などの円滑で確実な継承も課題の一つであると考えています。次に、今後の取り組みについては、下水道施設を計画的かつ効率的に管理する、いわゆるストックマネジメントを取り入れ、事業費の平準化とトータルコストの削減を図るとともに、効率的な資金計画を立て、支払い利息を削減することに加え、人材育成と運営体制の強化及び技術継承を行うための方針づくりや研修計画などを策定したいと考えています。また、引き続き投資効果の高い地域を計画的に整備し、接続勧奨などで水洗化率を向上させ、下水道事業を支える使用料収入の確保を図りたいと考えています。いずれにしましても、将来にわたり事業を安定的に継続するためには、中長期的な視点で投資と財源のバランスを考えた経営戦略を作成し、経営基盤の強化に取り組むことが必要ですので、今後の下水道事業経営の方向性について、経営審議会などに御意見を伺いながら、今年度中に本戦略を策定したいと考えています。 次に、消化ガス発電事業の収入が増加した理由としては、1キロワット当たりの売電単価が入札により予定額の39円から42.68円に1割近く上昇したことや、消化ガスの発生量に応じた発電機の効率的な運転を行ったことにより、電力量が予定と比べ27%増加したためです。また、今後の収入見込みについては、消化ガス発電設備は機器の定期点検などで運転を休止する時期もありますが、固定価格買取制度により20年間の売電期間と39円の売電単価が国に約束されておりますので、当初見込んでいた年当たり1億2,000万円程度の収入は確保できると考えています。今後も、適正な維持管理と効率的な運転に努め、できる限りの収入確保を図っていきたいと考えています。以上で、答弁を終わります。 ○丹生谷利和議長 以上で、答弁は終わりました。 以上で、菅議員の一般質問を終わります。 次に、清水尚美議員。 〔清水尚美議員登壇〕 ◆清水尚美議員 公明党議員団の清水尚美でございます。これより通告に従いまして一般質問を行います。市長並びに理事者の皆様には、わかりやすい御答弁をよろしくお願い申し上げます。 まず初めに、介護人材確保についてお伺いいたします。団塊の世代が75歳を迎える2025年には、要介護者の大幅な増加が見込まれ、介護人材の不足数は38万人になると予測されております。国は、介護離職ゼロを掲げ、その実現のため、介護人材の確保に向けた施策を盛り込んだ補正予算が可決されました。その中には、離職防止定着促進として、介護ロボットの活用推進などが追加的対策として上げられております。介護の現場はいまだ3K、きつい、汚い、給料が安いと呼ばれ、職場定着率が低いのが実情であります。また、介護による腰への負担が大きく、公益財団法人社会福祉振興・試験センターの2012年度社会福祉士介護福祉士就労状況調査(有効回答数約17万人)によりますと、腰痛で離職したと回答した方が14.3%と報告されております。また、長時間の残業や不規則な交代制勤務などから鬱病などの精神疾患による労災申請が増加しているとの集計がなされております。そこで、離職対策についてお伺いいたします。介護施設現場における介護職員の離職率の全国的な動向や他の業種との比較はどのようになっていますでしょうか。また、本市における離職対策についてお聞かせください。 ○丹生谷利和議長 野志市長。 ◎野志克仁市長 急速に高齢化が進む中、介護業務に関する労働力の需要は増大しており、私が公約に掲げている福祉・医療で幸せを実感していただくためには、介護人材を確保し、定着させることが取り組むべき課題の一つと考えております。そこで、介護職員の離職率の動向は、公益財団法人介護労働安定センターの平成26年度介護労働実態調査で、介護従事者の離職率は全国平均で16.5%、愛媛県で14.7%であり、愛媛県は全国をやや下回っております。また、ほかの業種との比較は、国の平成26年雇用動向調査で、全国の介護職員を含む医療・福祉分野の離職率は15.7%と全産業平均の15.5%をやや上回っています。次に、本市の離職対策は、介護事業所へは国の交付金を活用し、介護職員の処遇改善に努めるよう助言するほか、介護労働安定センターなどが実施する魅力ある職場づくりのためのセミナーへの参加を呼びかけております。また、介護従事者へは、キャリアアップ研修を実施するなど、介護人材の確保や定着に取り組んでおります。今後も、国の制度などを活用しながら、求められる介護サービスを提供するため、人材確保や定着に向けて取り組んでいきたいと考えております。以上でございます。 ○丹生谷利和議長 清水尚美議員。 ◆清水尚美議員 神奈川県では、介護・看護職員への腰への負担を軽減し、利用者に質の高いケアを提供するため、平成27年6月に神奈川らくらく介護宣言を発表されました。介護・看護現場で期待されるロボット、機器導入を進めることを同宣言の中に明記をされております。具体的な取り組みの一つがロボット等を活用した職場処遇改善コンサルティング支援事業であります。国の緊急雇用創出事業臨時特例交付金を活用した地域づくり事業の一環として、サイバーダイン社製のロボットスーツHALR介護支援用(腰タイプ)を100台導入し、県内の特別養護老人ホーム、有料老人ホームのうち、希望する30カ所に3台ずつ配置をされました。HALRの特徴は、人が体を動かすときに脳から筋肉へ送られる生体電位信号を読み取って、人間の動作を支援します。その能力は、腰にかかる負担を最大で4割軽減するそうです。本市でも国の介護ロボット等導入支援事業の募集を行い、本年2月24日で受け付けを終了されております。そこで、介護ロボット等の導入について、以下3点お伺いいたします。まず1点目に、離職率の低減に向けて介護ロボット導入についての認識をお聞かせください。2点目に、受け付け終了した介護ロボット等導入支援事業の募集にどの程度応募があったのでしょうか。また、国の補正予算での補助事業と伺っておりますが、本市独自に補助をされるお考えはないでしょうか。3点目に、産官学で共同して研究開発すれば、経済的な波及もあると思われますが、そのお考えはありますでしょうか、お聞かせください。 ○丹生谷利和議長 矢野保健福祉部長。 ◎矢野一郎保健福祉部長 まず、介護ロボット導入の認識についてですが、介護現場においてはロボットの導入により介護従事者の身体的な負担を軽減し、労働環境等の改善につながると考えられることから、介護人材の確保や離職率の低減に一定の効果が期待できると考えています。次に、導入支援事業に応募のあった件数は35法人、73事業所となっています。また、本市の独自補助につきましては、今回の国の補助制度による介護ロボット等の導入状況や導入による職場環境の改善状況などの事業効果を調査・検証するとともに、今後の国の方向性を見定めつつ、研究していきたいと考えています。最後に、産官学での共同開発につきましては、国が日本再興戦略2016の中で、介護負担の軽減を図るため、介護ロボットの導入促進や開発支援を進めるとしていることから、今後、国の動向を見ながら調査研究していきたいと考えています。以上でございます。 ○丹生谷利和議長 清水尚美議員。 ◆清水尚美議員 次に、がん対策加速化プランについてお伺いいたします。国はがん対策推進基本計画に沿ってがん対策を進め、平成19年度から10年でがんの年齢調整死亡率を20%減少させることを全体目標としておりましたが、目標達成が難しいと予測し、平成27年6月1日に開催されたがんサミットで内閣総理大臣の指示を受け、厚生労働省が中心となり、基本計画に示されている分野のうち、おくれているため、加速することが必要な分野、その当該分野を加速することにより、死亡率減少につながる分野に絞り短期集中的に実行すべき具体策を明示されております。それががん対策加速化プランということで策定をされております。がん対策加速化プランの3つの柱は、がんの予防、がんの治療・研究、がんとの共生になっております。今回はがんの予防に限定してお伺いしたいと思います。がんの予防の実施すべき具体策には、がん検診、たばこ対策、肝炎予防、学校におけるがん教育が挙げられております。まず、そのがん検診について、実施すべき具体策として国は、各市町村の受診率、取り組み事例等の公表や精検受診率等の目標設定やかかりつけ医等による受診勧奨、市町村による個別勧奨の徹底や胃内視鏡検査実施の体制整備を上げておられます。そこで、以下2点お伺いいたします。1点目として、がん検診に中学生へのピロリ菌検査を追加し、助成をされてはどうでしょうか。また、胃内視鏡検査実施の体制をどのようにされるのか、お伺いいたします。2点目として、がん検診の受診率アップのため、今年度からコール・リコールの対象に胃がん、肺がんが追加となりましたが、どのように実施されるのでしょうか、お聞かせください。 ○丹生谷利和議長 矢野保健福祉部長。 ◎矢野一郎保健福祉部長 まず、がん検診に中学生へのピロリ菌検査を追加し助成することについてですが、現在、国のがん検診のあり方に関する検討会で、ピロリ菌検査は死亡率減少効果等が確認されていないため、引き続き検証を行っていく必要があるとされており、国の指針では行政が実施する検診として推奨していません。したがいまして、本市ではがん検診に中学生へのピロリ菌検査を追加して助成することについては、国の動向を注視していきたいと考えています。また、胃内視鏡検査実施の体制についてですが、胃内視鏡検査は、地域での集団検診では設備や医師の確保などが困難なため、個別医療機関での実施が必要になります。さらに、撮影画像を2人の医師が確認する読影体制を整備することも必要条件の一つとなっています。こうしたことから、実施体制の整備について、松山市医師会の協力を得ながら検討を進めていきたいと考えています。次に、がん検診の受診率アップについては、国の制度として大腸がん、乳がん、子宮頸がん検診の個別受診勧奨・再勧奨、いわゆるコール・リコールを行ってきましたが、今年度新たなステージに入ったがん検診の総合支援事業において、胃がん、肺がん検診も追加となりました。そこで、本市では20歳から60歳までの5歳刻みの方に対し、年齢に応じたがん検診の受診勧奨・再勧奨の案内文書を送付するとともに、松山市医師会の協力を得て、かかりつけ医による受診勧奨も実施いたします。これらの受診勧奨を継続受診のきっかけとし、受診率向上につなげていきたいと考えています。以上でございます。 ○丹生谷利和議長 清水尚美議員。 ◆清水尚美議員 再質問させていただきます。今年度からコール・リコールの対象の胃がん、肺がんの追加の実施をされるということでお伺いしたんですが、いつぐらいから実施の予定か、お伺いできたらと思います。 ○丹生谷利和議長 矢野保健福祉部長。 ◎矢野一郎保健福祉部長 体制が整い次第、実施したいと思っております。 ○丹生谷利和議長 清水尚美議員。 ◆清水尚美議員 実施をなるべく早くお願いいたします。 次に、たばこ対策の実施すべき具体策として、国はラグビーワールドカップ、東京オリンピック・パラリンピックに向けた受動喫煙防止策の強化をうたっております。平成26年度に開催された長崎国体では、競技担当者マニュアルの中に指定された喫煙場所が明記され、それ以外の場所は完全禁煙となりました。また、日本禁煙学会は施設通路や出入り口から10メートル以上離れた場所に喫煙所を設置することが受動喫煙防止になるとされております。そこで、平成29年えひめ国体に向け、受動喫煙防止策の強化をどのようにされるのか、お聞かせください。
    ○丹生谷利和議長 池田国体推進局長。 ◎池田和広国体推進局長 えひめ国体では、屋内競技施設内の全面禁煙に努め、施設の形態上、禁煙が困難な場所には分煙化の徹底を図ります。また、屋外競技施設については、適切な場所に臨時の喫煙所を設置し、会場案内看板による周知に加え、競技会係員の誘導により指定された場所以外での全面禁煙を徹底します。以上です。 ○丹生谷利和議長 清水尚美議員。 ◆清水尚美議員 再質問お願いいたします。分煙と指定以外のところの禁煙ということはすごいすばらしいと思うんですが、日本禁煙学会が施設通路や出入り口から10メートル以上離れた場所にそういった分煙場所を設けるっていうふうなことを書かれてあるんですが、それでよろしいのでしょうか。 ○丹生谷利和議長 池田国体推進局長。 ◎池田和広国体推進局長 議員御指摘のように、指定された場所以外では全面禁煙というような形に設置をさせていただきます。 ○丹生谷利和議長 清水尚美議員。 ◆清水尚美議員 それは10メートル離れた場所に設置されるんでしょうか。今までの国体によりますと、場所が設定できないので、5メートル離れた場所に設置をされたりっていうところがあったりするんですが、えひめ国体では10メートル離した場所に設置ということでよろしいでしょうか。 ○丹生谷利和議長 池田国体推進局長。 ◎池田和広国体推進局長 施設環境によりましていろいろと制限がございますので、そういった方向性で努力をさせていただきます。 ○丹生谷利和議長 清水尚美議員。 ◆清水尚美議員 次に、肝炎対策として、患者の自己負担の軽減を通じ、重症化予防を推進したり、ウイルス陽性者の受診勧奨、フォローアップ法の開発や身近な医療機関での検査実施等の推進が上げられております。本市では、既に無料でB型、C型肝炎ウイルス検査を実施されておりますが、その件数と啓発への取り組みについてお聞かせください。また、ウイルス陽性者の受診勧奨をどのようにされているのか、お聞かせください。 ○丹生谷利和議長 矢野保健福祉部長。 ◎矢野一郎保健福祉部長 B型、C型肝炎ウイルスの無料検査は、現在、市保健所と市内委託医療機関185カ所で実施しています。受診者数を過去5年間で見ると、B型肝炎ウイルス検査は、平成23年度が612人、24年度537人、25年度832人、26年度1,133人、27年度1,249人であり、またC型肝炎ウイルス検査は、平成23年度が614人、24年度544人、25年度832人、26年度1,138人、27年度1,250人と、B型、C型ともに倍増しています。無料検査の周知・啓発方法は、市ホームページへの掲載や保健所や医療機関、企業へのポスター掲示やパンフレットの配置、各種健診会場での啓発チラシ配布のほか、世界肝炎デーに合わせ、関係機関と協力し、街頭キャンペーンをしています。また、検査結果が陽性と判定された方には、検査実施機関における結果報告の際に精密検査実施医師のいる医療機関への受診を勧めています。さらに、陽性者へは医療機関への受診状況に関するアンケートを年1回実施し、未受診の方には継続して受診を勧めるなど、フォローアップに努めています。以上でございます。 ○丹生谷利和議長 清水尚美議員。 ◆清水尚美議員 次に、学校におけるがん教育としてがんの教育総合支援事業の実施及び外部講師を活用した地域連携体制の構築への支援等が具体策として上がっておりますが、本市では既にがんの教育総合支援事業を実施されたとお伺いしましたが、どのように実施をされたのでしょうか。また、外部講師を活用した地域連携体制を今後どのように構築されるのか、お伺いいたします。 ○丹生谷利和議長 山本教育長。 ◎山本昭弘教育長 まず、がんの教育総合支援事業の実施についてですが、本市では平成26年度にがんの専門医やがんを罹患した経験のある方を講師に招き、石井北小学校で教職員向けの研修会を、また雄新中学校では1年生を対象とした講演会をモデル事業として実施しました。実施した学校からは、モデル事業を通じてがんに対する間違った知識が是正された、検診の大切さが理解できたなどの報告があり、改めてがん教育の必要性を認識いたしました。次に、外部講師を活用した地域連携体制の構築についてですが、がん教育の実施に際しては、医学的専門性や家族にがん患者がいる子どもへの対応など、児童生徒の発達段階に応じた適切な指導を行うことが必要です。そこで、本市では、ことし4月に国が示したがん教育を推進するための教材を各学校に配布するとともに、教職員の指導力の向上を目指し、昨年度に引き続き、四国がんセンターの御協力を得て研修会に取り組むこととしています。今年度は養護教諭を対象とした研修会に一般教職員も参加し、現場の要望を踏まえて四国がんセンターの医師と臨床心理士を講師に招き、心のケアに重点を置いた研修会を開催する予定としています。今後は、これまで以上に庁内の関係部局との連携を図りながら、専門医やがん経験者とその家族などで組織する関連団体の方々を外部講師として積極的に活用できる協力体制を構築し、学校でのがん教育の推進を図っていきたいと考えています。以上でございます。 ○丹生谷利和議長 清水尚美議員。 ◆清水尚美議員 次に、B型肝炎ワクチンについてお伺いいたします。厚生労働省の予防接種基本方針部会は、B型肝炎ワクチンを本年10月から、予防接種法に基づく原則無料の定期接種にすることを2月5日に了承しました。日本のB型肝炎ウイルスの感染者は、約140万人と推定されております。B型肝炎ウイルスに感染し、慢性肝炎になると、長期にわたる治療を要し、最悪の場合は肝硬変や肝臓がんなど命にかかわる病気を引き起こすとされております。以前はB型肝炎を持った母親から分娩時に血液を介して赤ちゃんに感染する母子感染が多くありましたが、今では母子感染対策がとられており、新たな母子感染はほとんど起きてないそうです。しかし、B型肝炎ウイルスは非常に感染力が強いウイルスで、感染者の唾液や涙といった体液に触れるだけで感染する可能性が指摘されております。また、原因不明のこともあり、特に子どもの場合は原因不明のことが多いとされております。3歳以下の子どもさんがB型肝炎ウイルスに感染すると、キャリア(ウイルスを体内に保有した状態)になる危険性が高くなります。B型肝炎ウイルスに起因する肝がんの死亡者数は年間5,000人、肝硬変による死亡者数は1,000人と推定されております。そして、今なお毎年約1万人近い人が新しく感染していると言われております。国立がん研究センターのがん登録統計によりますと、都道府県別で愛媛県ではがん死亡率が2014年度で8.3としてワースト1位となっております。そこで、10月に定期接種化されるB型肝炎ワクチン接種にどのように取り組まれるのか、お聞かせください。 ○丹生谷利和議長 矢野保健福祉部長。 ◎矢野一郎保健福祉部長 B型肝炎ワクチン定期接種は、予防接種基本方針部会で本年10月から平成28年4月1日以降に生まれた方を対象に、生後1歳に至るまでの間、合計3回の接種を行うことが了承されています。本市のB型肝炎ワクチン定期接種への取り組みについては、国が公布する政令等の施行後、対象者へ案内文書を送付するなど、積極的に接種勧奨などをしていきたいと考えています。以上でございます。 ○丹生谷利和議長 清水尚美議員。 ◆清水尚美議員 先ほど御答弁にありましたように、10月実施の定期接種はゼロ歳児からが対象ということで、昨年生まれた子どもさんや感染しやすい3歳以下の子どもさんは対象外となります。必要とされる3回の接種を自己負担するとなると約2万円かかり、家計には大きな負担となります。そこで次に、最低3歳以下を対象にB型肝炎ワクチンの一部公費助成を経過措置として実施できないか、お聞かせください。 ○丹生谷利和議長 矢野保健福祉部長。 ◎矢野一郎保健福祉部長 定期接種化の経過措置として、対象年齢以外で最低3歳以下を対象としたB型肝炎ワクチン予防接種の一部公費助成については、任意の予防接種となるため、健康被害が生じた際の救済措置が十分でないことや実施に伴う財源確保など多くの課題がありますので、今後、国の動向を注視しながら、調査研究していきたいと考えています。以上でございます。 ○丹生谷利和議長 清水尚美議員。 ◆清水尚美議員 次に、病児・病後児保育事業についてお伺いいたします。国は、28年度予算として子ども・子育て支援の質の向上として2,220億円を計上しております。その中には病児保育の拠点となる施設に看護師等を配置し、保育所等において保育中に体調が悪くなった体調不良児を送迎し、病児を保育するために必要となる看護師雇用の費用を支援として27億円計上されております。伊予市は、本年4月から、市運営の全国初となるお迎えサービスつきの病児・病後児保育事業をスタートさせました。小学校や幼稚園、保育所にいる子どもが発熱や腹痛で急な迎えが必要となった場合、仕事中の保護者にかわって、保育士などの市職員が送迎に当たるものです。また、せんだって視察に伺った富山市では、市立保育所2カ所で保育中に体調不良になった児童の保育を行う体調不良児対応型の病児保育を実施されておりました。市長の強い思い入れで2年間かけて厚生労働省と協議を重ね、お迎え型体調不良児保育事業を公立保育所で本年10月から実施すると伺っております。この事業は、病児保育事業を実施していない保育所に預けている子どもさんが発熱した場合、保護者の依頼を受け、市の職員が体調を崩した子どもを迎えに行き、かかりつけ医で診察を受け、医師の指示に従って体調不良型対応の病児保育施設で預かり、保護者に迎えに来てもらうというものです。平成27年度に市内7,500人を対象にアンケート調査を実施して、お迎えサービスの要望があり、市長が行動を起こしたと伺いました。私が住んでいる近隣でも、仕事をしている親御さんから、幼稚園や保育園から発熱などのお迎え電話にどきっとする、何度も仕事を休むのは気が引けるし、お迎えに行けないことがある。そんなときにお迎えサービスがあれば助かるなあと話をされておりました。子育て環境は昔と違い、何かあったときに両親の協力を得ることができない御夫婦にとっては必要な事業ではないかと考えます。そこで、以下2点についてお伺いいたします。1点目に、体調不良児対応型の認識についてお伺いいたします。また、本市の公立の保育施設において、モデル的に体調不良児対応型の病児保育を実施されるお考えはないでしょうか。2点目に、お迎えサービスつきの病児・病後児保育の事業拡大を実施されるお考えはないか、お聞かせください。 ○丹生谷利和議長 黒瀬子ども・子育て担当部長。 ◎黒瀬純一子ども・子育て担当部長 体調不良児対応型は、看護師を常時配置しておく必要があるため、保育園で子どもたちの日常的な健康管理ができるといったメリットがありますが、子どもの体調不良は急性期こそ医師の診断が必要で、保護者が迎えに来るまでの間の緊急的な対応とはいえ、その実施に当たっては、安全性など十分な検討が必要であると考えています。そのため、本市では、医師や看護師による適切な処置や感染防止などの面で子どもの安全を第一に考え、市内の病院に委託をして病児・病後児保育事業を実施しているところです。公立保育所での体調不良児対応型のモデル実施については、市民の利便性の向上と安心・安全性を考慮して調査研究していきたいと思います。次に、お迎えサービスつきの病児・病後児保育についてですが、本市では、まずは現在委託実施している病院に概要を説明し、送迎を含めた事業実施を希望する病院があれば前向きに実施を検討したいと考えています。また、新たな施設を計画する場合には、既存の施設や他市の実施状況を確認した上で、お迎えサービスを付加して実施することについても検討していきたいと考えています。以上でございます。 ○丹生谷利和議長 清水尚美議員。 ◆清水尚美議員 まつやま圏域未来共創ビジョン公表案においては、3市3町で病児・病後児保育の広域受け入れを進めていくという事業が上がっておりますが、病児・病後児保育の広域受け入れについて本市はどのように実施をされるのか、お聞かせください。 ○丹生谷利和議長 黒瀬子ども・子育て担当部長。 ◎黒瀬純一子ども・子育て担当部長 現在松山市では、伊予市、東温市、久万高原町、松前町、砥部町の2市3町とともに連携中枢都市圏形成に向けた取り組みを進めています。その中で、子育て支援の充実として病児・病後児保育事業も位置づけていますので、3市3町の全ての子どもが相互に利用でき、事業の利便性の向上が図れるよう、これから実現に向けて協議を進めていきたいと考えています。以上でございます。 ○丹生谷利和議長 清水尚美議員。 ◆清水尚美議員 再質問よろしいでしょうか。今後進めていくというお話であったんですが、具体的にじゃあいつぐらいからというのはまだ今後の協議の中で進んでいくということで、現時点ではまだはっきりしてないということでよろしいんでしょうか。 ○丹生谷利和議長 黒瀬子ども・子育て担当部長。 ◎黒瀬純一子ども・子育て担当部長 現在、連携中枢都市圏形成に向けた取り組みを進めております段階ですので、その中でこの協議についてもできるだけ早く進めていきたいと考えております。 ○丹生谷利和議長 清水尚美議員。 ◆清水尚美議員 最後に、企業版ふるさと納税についてお伺いいたします。国は、今年度、地方創生に取り組む自治体を民間企業の資金を活用して支援することを目的に、地方自治体に寄附をした企業に対し法人住民税や法人税など税額控除を行う企業版ふるさと納税を創設いたしました。内閣府は、自治体の申請を受け、事業がどのように地方創生につながるのかを審査した上で、8月にも第一弾となる寄附事業が認定される見通しと聞き及んでおります。企業版ふるさと納税の寄附金の3割に当たる金額が法人住民税や法人事業税、法人税から差し引かれ、減税効果は従来の倍の約6割になります。例えば、100万円寄附した場合、企業の実質的な持ち出し額は約40万円、少額でも制度を活用できるよう寄附の下限額を10万円とされております。自治体を選んで寄附できる個人版のふるさと納税と異なり、企業版の寄附は少子化対策や移住定住促進などの事業を盛り込んだ地域再生計画について、政府から認定を受けた自治体だけが対象となります。また、個人向けのふるさと納税では、自治体が豪華な返礼品を用意し、競争が過熱するなどの問題が指摘されておりますが、企業版では、自治体による企業への便宜供与を防ぐモラルハザード対策として、自治体が企業に対して補助金の交付、低金利での貸し付け、入札や許認可での便宜供与、合理的な理由なく市場価格よりも低い価格で財産を譲渡することを禁じる規定が設けられております。既に制度の活用に乗り出し、第一弾の認定を目指す自治体もあります。北海道夕張市では、家具販売大手メーカーから2016年度から2019年度の4年間で総額5億円の寄附を受け、子育て支援施設の整備などに充てることを検討されております。また、秋田県仙北市は、都内にあるソフトウエア開発会社から年間100万円の寄附金を旧角館町の千本桜などの資源を生かした観光振興に充てることを検討されております。そこで、企業版ふるさと納税について積極的に推進すべきと思いますが、本市の認識をお聞かせください。 ○丹生谷利和議長 山崎総合政策部長。 ◎山崎裕史総合政策部長 地方創生の取り組みを推進するためには、行政だけでなく、市民の方々や民間企業からの参画と協力が必要です。したがいまして、企業版ふるさと納税については、松山市に本社が立地していない民間企業からの寄附という形で財政面で協力していただけることから、本市としてもこういった仕組みを活用していきたいと考えています。以上です。 ○丹生谷利和議長 清水尚美議員。 ◆清水尚美議員 本市と同様に、総合戦略を本年3月までに策定した他市、他県では、はや既に企業版ふるさと納税について制度の概要や寄附対象事業内容をホームページに載せたり、相談窓口を開設されている市や県があります。本市では、企業に対してPRなどの促進策をどのように取り組まれるのか、お聞かせください。そしてまた、その内容をホームページ上にアップをされてはいかがでしょうか、御所見をお伺いいたします。 ○丹生谷利和議長 山崎総合政策部長。 ◎山崎裕史総合政策部長 企業版ふるさと納税については、企業からの寄附の見込みを立てた上で地域再生計画を策定し、内閣総理大臣の認定を受けることが本年4月に国から示されました。そこで、本市にゆかりのある企業等に対し意向調査などを行い、事業実施の見込みを探っていくことにしております。あわせて、本市の地方創生の取り組みについて関心を持っていただけるよう、ホームページ等を含め、効果的なPR等について検討したいと考えています。以上です。 ○丹生谷利和議長 清水尚美議員。 ◆清水尚美議員 以上で、質問を終わります。ありがとうございました。 ○丹生谷利和議長 以上で、清水尚美議員の一般質問を終わります。 ただいまから午後1時30分まで休憩いたします。       午後0時22分休憩   ────────────────       午後1時30分再開 ○丹生谷利和議長 休憩前に引き続き会議を開きます。 一般質問を続行いたします。大亀議員。 〔大亀泰彦議員登壇〕 ◆大亀泰彦議員 フォーラム松山の大亀泰彦でございます。ただいまから一般質問をします。市長初め理事者各位の明快な御答弁をよろしくお願いいたします。 まず初めは、財政についてであります。消費増税が2年半先延ばしとなりました。一般論として税金が安いということはいいことでありますが、1,000兆円を超える大きな借金を抱えての財政規律の問題、少子超高齢社会の社会保障の問題、あるいは消費税は貴重な地方財源であるなど、今後の国、地方の進路を考えると不安が増します。増税により景気の腰折れを懸念する声は過去の事例から鑑み、一定理解できます。しかしながら、いわゆる上げ潮路線で景気がよくなり、税収が上がればもろもろの不安は全て吹っ飛ぶという論調は、浮世離れした楽天家の話としか思えません。そこで、お伺いします。消費増税に関して、本市の経済及び財政運営や子育て支援や医療・介護等社会保障政策に与える影響に関して、まず質問の1つは、2年前の8%への増税時の影響はどうだったのか、質問の2つは、今回の10%への先送りに関しての影響について、御所見をお聞かせください。 ○丹生谷利和議長 平野産業経済部長。 ◎平野陽一郎産業経済部長 8%への増税時の本市の経済への影響についてですが、増税直後に愛媛県が発表した県内経済情勢では、駆け込み需要の反動減について想定の範囲内であり、緩やかな持ち直し基調が続くとの見込みでした。しかし、実際には反動減からの回復は鈍く、地元民間調査会社が増税から半年後に実施した県内企業業況見通し調査では、増税による個人消費の低迷や物価上昇を受けて、本市経済の特徴である小売業など非製造業を中心に消費マインド悪化による売上減少といったマイナスの影響が顕著に出ているとの結果が出ています。また、増税から1年後の同調査では、県内経済は緩やかな回復基調にあるが、業種によってばらつきが見られるなど、景気回復はまだら模様と報告されています。以上です。 ○丹生谷利和議長 片山理財部長。 ◎片山雅央理財部長 8%への増税の財政運営等への影響は、地方消費税交付金が平成27年度決算で約97億円となり、消費税が5%であった平成25年度から約50億円の増額となっています。なお、平成27年度交付額のうち、国が示す消費税率の引き上げに伴う増収分に相当する約39億6,000万円が地方税法等の定めるところにより社会保障施策経費等への充当額となり、これらは全て医療・介護や少子化対策、社会福祉や保健衛生関係の経費に充当しています。また、地方交付税についても、消費税率の引き上げにより増収となる交付税財源分は全額、社会保障施策経費等に充てることとされ、これらは全て基準財政需要額に算入されており、本市では約13億円が社会保障の充実分として平成27年度の需要額に算入されています。以上でございます。 ○丹生谷利和議長 平野産業経済部長。 ◎平野陽一郎産業経済部長 今回の10%への先延ばしの本市の経済への影響についてですが、増税直前に想定される駆け込み需要は発生しないものの、先延ばしにより増税による家計の負担増が回避されるとともに、駆け込み需要の反動減も起こらないため、景気への追い風になるとも言われています。一方で、新聞社が実施した消費者アンケートによると、「家計負担が抑えられる」、「増税延期による今後の支出は変わらない」との回答が8割を上回るなど増税が延期されても、消費者の消費意欲は低く、節約志向も根強いため、本市経済への影響は不透明な状況が続くと考えられます。このような現状を受けて、国に対しては、全国的な消費喚起策や経済活性化策に取り組むとともに、各自治体が実施する施策への財政的な支援を求めていきたいと考えています。以上です。 ○丹生谷利和議長 片山理財部長。 ◎片山雅央理財部長 次に、消費増税の先送りに伴う財政運営の影響に関して、まず歳出予算の影響については、消費税率引き上げによる増収分を充てて行うことになっている少子化対策や医療・介護保険制度などの改革を実施するための財源の見通しが厳しくなることから、予定されている事業の実施が困難になることも危惧されます。一方、歳入予算の影響については、地方消費税交付金では平成28年度決算見込み額をもとに単純試算すると、引き上げが延期される平成31年10月までの約3年度分で約65億円少なくなる見込みです。また、地方交付税については、消費税収の一部が原資となっており、地方財政計画上、財源不足の額が大きくなることも想定され、その場合には臨時財政対策債の増も考えられます。このような状況のもと、先般、閣議決定された一億総活躍プランで打ち出された待機児童の解消を初めとする施策の実現に必要な財源が確実に確保されるのか、本市としましても国の動きを十分に注視していくとともに、全国市長会等を通じて国に対し強く要望していきたいと考えています。以上でございます。 ○丹生谷利和議長 大亀議員。 ◆大亀泰彦議員 以上のように、増税延期は景気面ではなかなか不透明というような答弁がありましたけど、税収や地方交付税に直結する事項でもあり、その動向は地方にとって大きな関心事であります。そこで、関連質問として、今年度から導入された地方交付税制度のトップランナー方式についてであります。この方式は、地方交付税の算定に関して、学校事務や庁舎清掃等の自治体業務を民間委託や指定管理者制度の導入によって経費節減している自治体を標準に交付税を算定する仕組みであります。歳出効率化のために自治体の努力を促すのが目的とされ、取り組みがおくれている自治体は経常経費への偏重度が増し、財政運営がより厳しくなることが予想されます。また、人口規模の小さな自治体や委託先の民間企業がその地域にないといった条件不利益地域からは地方交付税の主要な役割である財源保障機能が弱まり、地域間格差が増大するといった危機感が強いようであります。そこで、お伺いします。トップランナー方式の導入の狙い、評価、本市への影響についてお聞かせください。 ○丹生谷利和議長 片山理財部長。 ◎片山雅央理財部長 トップランナー方式については、歳出の効率化を推進するため、平成28年度の地方交付税の算定から新たに導入されるものです。具体的には、民間委託や指定管理者制度など、他団体のモデルになるような業務改革に取り組んでいる団体の経費水準を地方交付税の単位費用の積算等に反映するほか、基準財政収入額の算定に用いられる税の徴収率を上位3分の1の団体が達成している徴収率を標準的な率として算定することとしており、おおむね3から5年程度かけて段階的に地方交付税の算定に反映されることになっています。しかしながら、地方の財政力や行政コストの差は、人口や地理的条件など歳出削減努力以外の要素によるところが大きく、一律の行政コスト比較にはなじまないものではないかと考えており、この点について国は十分配慮する必要があると思っています。また、影響については、今回の取り組みは歳出の効率化が前提となっており、対象となる業務の単位費用は減額となる見込みですが、どの程度の減額幅となるかは、現在国で算定中であることから、現時点ではトップランナー方式の導入による本市の影響額をお示しすることはできません。以上でございます。 ○丹生谷利和議長 大亀議員。 ◆大亀泰彦議員 ありがとうございました。 次は、障害者差別解消法施行に伴う対応についてであります。ことし4月1日、国と地方自治体、民間事業者に障がいを理由とする差別を禁止する障害者差別解消法が施行されました。全国で何らかの障がいがある方は、27年版障害者白書によりますと約787万9,000人、障がいの種類も多岐にわたり、同法成立直後は何が差別か、どこまでの配慮が必要かなど混乱が生じるのではといった心配する声も多く聞かれました。そこで、法律の成立から施行まで2年10カ月もの周知期間を経て不安解消に取り組んでこられたことと理解しております。施行前、聞かれた懸念事項数点についてお伺いします。質問の1つは、法律の認知度についてであります。庁内外でどのように啓発してきたのか、またどの程度理解が進んでいるのか、御所見をお聞かせください。 ○丹生谷利和議長 西市社会福祉担当部長。 ◎西市裕二社会福祉担当部長 本市では、ことし2月以降、職員を対象に障害者差別解消法について、さまざまな機会を捉え研修会を実施してきたことから、不当な差別的取り扱いの禁止や合理的配慮については、職員の理解度は深まっていると思われます。市民に対しては、広報紙及びホームページの掲載や庁舎への横断幕の掲示、広報番組等で周知・啓発をしています。今後も市民や民間事業者に対し周知・啓発することに加え、「笑顔のまつやままちかど講座」の活用やこころの健康フォーラム、福祉事業者向けの研修会などを通じ、参加される方が障がい者差別や合理的配慮について理解を深めていただけるよう、さらに周知・啓発に努めていきたいと考えています。以上です。 ○丹生谷利和議長 大亀議員。 ◆大亀泰彦議員 2つ目の質問として、職員対応要領及びマニュアルの策定について、そしてそれらの理解のための職員研修について、あわせて民間事業者への周知徹底についてはどのようにされたのか、お聞かせください。 ○丹生谷利和議長 西市社会福祉担当部長。 ◎西市裕二社会福祉担当部長 本市では、ことし3月に職員対応要領と障がいのある方への応対のしおりを作成いたしました。それに先駆け、2月には、所属長及び窓口対応等の担当職員を対象に障害者差別解消法の理解を深めるために研修会を実施しています。また、4月には、新任課長や新規採用職員を対象に研修を行い、さらに愛媛県と連携し、内閣府障害者政策委員会委員を招いて、行政職員対象の啓発講演会を実施しており、今後も周知に努めていきたいと考えています。民間事業者に対しては、松山商工会議所や愛媛県法人会連合会を通じ事業者へリーフレットを配布するなど、今後も機会あるごとに障害者差別解消法の周知に努めていきたいと考えています。以上です。 ○丹生谷利和議長 大亀議員。 ◆大亀泰彦議員 3点目の質問ですが、地域協議会の設置について、その形態、メンバー構成、役割についてお聞かせください。 ○丹生谷利和議長 西市社会福祉担当部長。 ◎西市裕二社会福祉担当部長 本市では、現在、地域協議会を設置しておりませんが、設置する場合は近隣市町との共同設置や既存の障害者総合支援法に基づく協議会を活用する形態が考えられます。次に、構成メンバーは、公共職業安定所、警察署、障がい者団体、社会福祉協議会、民生・児童委員、人権擁護委員、商工会議所などの関係機関が想定されます。役割は、複数の機関等によって紛争の防止や解決を図る事案の共有、関係機関等が対応した相談事例を共有することで、障がいを理由とする差別を解消する取り組みを行うこととされていますが、今後、地域協議会の設置は市民からの相談状況を踏まえて、必要に応じ判断していきたいと考えています。以上でございます。 ○丹生谷利和議長 大亀議員。 ◆大亀泰彦議員 ありがとうございます。私は先日、障がい者団体が主催するJR松山駅改修に伴い、障がい者の視点での本市への要請行動に同行させていただきました。エレベーターやトイレ、案内等、たくさんの具体的な合理的配慮を求める要望がありました。特に印象に残ったのは、企画立案段階から自分たちを参加させてほしいという声でありました。法律が絵に描いた餅とならないように、当事者目線でのノーマライゼーション、ユニバーサル社会の実現を期待いたしたいというふうに思います。 それでは、次に移りたいと思います。次は、漱石にスポットを当てたまちづくりについてであります。ことしは夏目漱石の没後100年、小説「坊っちゃん」発表110年、来年は生誕150年の節目を迎えており、現在、「坊っちゃん」にちなんだイベント情報がマスコミ等で盛んに報じられております。漱石終えんの地、新宿では、来年を目途に(仮称)「漱石山房」記念館を整備する取り組みを進めております。また、同じく漱石が教師として赴任した熊本市でも、震災の影響で開催が不安視されておりますが、さまざまなイベントを用意しているやに伺っております。私は、大学の先輩で現在地元大学で非常勤講師をされている方から、漱石の大学卒業後の進路に一人の愛媛県人がかかわっていたことを知らされました。漱石が明治26年、帝国大学を卒業後、最初の就職活動として学習院に応募したのでありますが、結果は不採用でありました。これは、アメリカエール大学から留学帰りの愛媛県今治市出身の重見周吉という方が採用されたためでありました。もし漱石が学習院に就職していたら、松山中学に赴任することも、文豪として名をはせることもなかったかもしれない、それほど重見は漱石の進路に大きな影響を与えた人物であったとのことでありました。この節目の時期を好機と捉え、文豪漱石にスポットを当てた取り組みを進めてみてはと思い、以下数点質問いたします。まず1つ目は、生誕150年記念事業についてであります。事業の狙い、組織体制、内容、スケジュールについてお示しください。 ○丹生谷利和議長 山崎総合政策部長。 ◎山崎裕史総合政策部長 生誕150周年記念事業についてお答えします。まず、記念事業の狙い及び内容についてですが、平成29年は松山に縁の深い正岡子規と夏目漱石が生まれて150年の節目に当たり、本市を内外にPRする絶好の機会です。そこで、記念事業を通して、日本を代表する2人の文豪がともに暮らし、俳句を初めとする文学の革新と創造を志したことをあらゆる世代の市民の皆さんが実感し、松山に一層の愛着や誇りを持ってもらいたいと思っています。また、全国から訪れる方々にも、松山であるからこそ体感することができる2人の足跡に触れ、俳句や「ことば」でまちづくりを進める本市の魅力を感じてもらいたいと思います。さらに、記念事業では、子規と漱石の出会い、友情、別れ、そして功績の紹介を軸として、漱石が松山で子規とともに俳句づくりに熱中し、柳原極堂を初めとする多くの友人を得たこと、子規との別れを惜しみながらロンドンへ留学した漱石が世界を体験したことなど、等身大の子規と漱石にスポットを当てたエピソードを効果的に盛り込み、ストーリー性を持った事業を展開したいと考えています。次に、事業の推進体制とスケジュールについてですが、市民への普及啓発や観光客へのPRなど、効果的に事業を実施するためには、部局横断的な取り組みが必要です。そこで、現在、庁内に関係部局により調整会議を設置し、具体的なスケジュールの検討を進めており、今後は民間などとの連携も図りながら、年間を通じて、子規と漱石を身近に感じることができるさまざまな事業を展開したいと考えています。以上です。 ○丹生谷利和議長 大亀議員。 ◆大亀泰彦議員 ありがとうございます。先ほどロンドン留学云々という話がありましたが、先ほど紹介した私の大学の先輩から伺った話ですが、漱石がイギリス留学時、住んでいた下宿の真向かいに、ロンドン漱石記念館が日本人によって設立され、漱石が2年間の留学生活中に撮られた写真や漱石ゆかりの資料約2,000点がおさめられているとのことであります。往時の漱石の足跡を追い求めようと邦人関係者もたくさん訪れており、この御本人も何回も同地を訪れているとのことであります。市内にも明教館や子規博、坂の上の雲ミュージアム等、漱石をしのぶ施設はあるものの、何か物足りなさを感じております。そこで、質問の2つ目は、愚陀佛庵再建において、以前も再建の議論をする中で、ハードも大事なんですけど、ソフト、中身をどうするかという議論もさせていただいたことはあるんですけど、そういったソフト事業において漱石にスポットを当てて検討を進めていけば、再建に向けた追い風となるのではと期待しておりますが、御所見をお聞かせください。 ○丹生谷利和議長 中富坂の上の雲まちづくり担当部長。 ◎中富宣行坂の上の雲まちづくり担当部長 愚陀佛庵は、正岡子規、夏目漱石という2人の文人が50日余り同居した歴史と近代文学について熱く語り合ったとされる文化的な評価をあわせ持つ大切な地域資源の一つであると認識しております。また、この愚陀佛庵での2人の経験が、文学者・夏目漱石の人生ばかりか、その後の近代日本文学の発展にも大きな影響を与えたものと考えています。現在本市では、坂の上の雲フィールドミュージアム構想の実現に向け、愚陀佛庵の再建について検証を行っていますので、御提案の漱石が残した功績なども踏まえながら検証を進めていきたいと考えております。以上です。 ○丹生谷利和議長 大亀議員。 ◆大亀泰彦議員 ぜひともよろしくお願いいたしたいというふうに思います。 次は、松山市駅前交通広場の整備についてであります。同地は市内最大の交通結節点であり、多くの市民が通勤や通学、あるいはさまざまなイベント目的に利用する中心部に残された貴重な公共の空間であり、市民の財産であります。しかし、現状は、電車、バス、タクシー等の公共交通に加え、林立する飲食店や物販店への食資材の搬入車やマイカー、バイクや自転車等さまざまな交通機関がふくそうし、近年、交通結節機能の低下が危惧されております。また、歩行者と自転車が無秩序に行き交う歩道空間や車道部まではみ出したバイクや自転車の駐輪は大変危険であり、景観や環境の悪化も顕著化しております。私も市民の方から再三御指摘いただき、その都度市当局に対応していただいてはいるものの、局所的療法も限界に達していると言わざるを得ません。一方、隣接する花園町通りは、市長の目指す歩いて楽しい健康増進まちづくり事業が来年のえひめ国体を目途に着々と進められております。老朽化したアーケードが撤去され、現在電線類の地中化やファサード整備工事が行われております。今後、道路空間の改変がなされ、車道が2車線から1車線となり、自転車通行レーンや町名の由来にもなった花園を意識したポケットパーク等の休憩所も整備され、歩行者優先の空間に生まれ変わります。なお、同地区では、市当局におかれましては、社会実験やワークショップを頻繁に開くなど、粘り強く地域住民に向き合い、合意形成を積み重ねてこられました。その取り組みには敬意を表したいというふうに思います。また、全国的に高度経済成長にも伴ってモータリゼーションが進展する中、道路の拡張整備のため、軌道系路線の廃線が相次ぎました。そんな中、本市では、先人の御努力により路面電車は守られ、野志市長は現在全国で17都市しか残されていない路面電車をまちの宝として捉え、光を当てることにより、市民の利便性の向上や観光面でその機能や役割を高めようと、新型LRTの導入や郊外線とのシームレス化など、新しい取り組みにも意欲を示されておられます。以上のように、交通環境の悪化や資産価値の低下が懸念される中、花園町との一体的な整備の必要性や路面電車の魅力度向上に向け、市長公約であるコンパクトシティ・アンド・公共交通のシンボリック的な地区である市駅前交通広場の整備は喫緊の最重要課題と私は認識しております。そこで、以下質問します。まずは、市駅前における交通の現状において、各種交通量調査からどのように分析しているのか、お示しください。 ○丹生谷利和議長 青木都市整備部長。 ◎青木禎郎都市整備部長 市駅前広場の交通量は、自動車、自転車、歩行者を対象にした調査を定期的に実施しています。その結果では、1日当たりの自動車交通量は、平成17年が約1万1,300台、23年が約9,900台と約1割減少し、昼間の自転車交通量は、平成17年が約3,300台、23年が約2,100台と約4割減少する一方で、昼間の歩行者交通量は、平成17年が約1万1,000人、23年が約1万800人とほぼ横ばい状態になっています。また、市と民間の調査を合わせると、市駅周辺では公共交通である郊外電車や路面電車、バス、タクシーの乗降客が3万人を超えるという結果になっています。このように、公共交通などを利用する大勢の市民が広場を通行している現状や自動車交通量が減少していること、また現在整備を進めている花園町通りとの連続性などを考慮すると、さまざまな課題はあるものの、市駅前広場の交通機能について見直す時期が来ていると感じております。以上でございます。 ○丹生谷利和議長 大亀議員。 ◆大亀泰彦議員 ありがとうございます。 次は、歩行者と自転車がふくそうする歩道における安全対策についてであります。特に北側の駅ビル出入り口付近は、歩行者と自転車の接触事故や事故までには至らなかったものの、多くの駅ビル利用者の方が危険を感じたことがあると思います。そこで、市当局は、交通安全運動期間等に合わせて定期的に啓発運動等はしていただいているものと認識しております。現在の道路状況や法的側面からも自転車の通行規制は困難なようですが、福岡市や仙台市では自転車からおりて通行を呼びかける押しチャリ区間と明示して安全性を確保するなど、警察と連携して、一歩踏み込んだ対策をしている事例も散見いたします。そこで、歩行者の安全確保に向けての現在の取り組み状況及び今後の強化策について御見解をお示しください。 ○丹生谷利和議長 青木都市整備部長。 ◎青木禎郎都市整備部長 市駅前の歩道の安全対策としては、これまでも毎月10日の自転車安全利用の日に行う押し歩き推進の街頭活動を初め、高校生による押し歩きの呼びかけ運動や市職員による街頭指導を行うほか、坊っちゃん広場でのサイクルガイドによる注意喚起など、自転車の安全利用を目的としたさまざまな周知・啓発活動に取り組んでいます。また、こうした活動の積み重ねが安全確保の向上につながると考えていますので、今後においてもこれまでの取り組みを強化、継続するとともに、他都市の取り組みについて調査研究を行い、警察や近隣の事業者などと連携し、より効果的な施策を検討したいと考えています。以上です。 ○丹生谷利和議長 大亀議員。 ◆大亀泰彦議員 では、3点目は、駐輪対策についてであります。これまで本会議や委員会で何度も議論してきましたが、市当局の定期的な巡回指導や警告票を添付し、一定の期間を置いての撤去作業ではイタチごっこの状態であり、より強い指導が可能な放置禁止区域の指定が必要と認識しています。しかしながら、受け皿となる駐輪場の整備については、民営駐輪場の補助制度の創設と官民連携での取り組み努力は一定評価していますが、いまだ道半ばと認識しています。改めて駐輪の状況と放置禁止区域の指定に向けての見通しについてお示しください。 ○丹生谷利和議長 青木都市整備部長。 ◎青木禎郎都市整備部長 平成28年2月の調査によると、市駅前広場周辺には約400台の自転車やバイクが放置されています。自転車等放置禁止区域を指定する場合は、放置されている自転車等を収容できる駐輪場が確保されていることが必要ですが、現在の地区周辺の駐輪場だけでは台数が不足しているのが現状です。したがいまして、直ちに市駅前広場を放置禁止区域に指定することは困難ですが、本市ではこれまで市営駐輪場の整備や附置義務の制度化、民営駐輪場の補助など官民一体となった取り組みにより、JR松山駅前や大街道周辺地区で放置禁止区域を指定しましたので、これらの事例も参考に検討したいと考えています。以上です。 ○丹生谷利和議長 大亀議員。 ◆大亀泰彦議員 この項の最後4点目は、抜本的な交通空間改変に関してであります。来年は、県民の長年の念願であったえひめ国体が開催され、全国から多くの方が本市を訪れます。また、4年後には東京オリンピック、パラリンピックの開催、さらに国は訪日観光客年間4,000万人を掲げており、観光の面からもスピード感を持って対応すべきと考えます。また、同地区は、交通事業者はもとより、公共交通利用者、地元商店街等多くの関係者が存在し、そういった方々の企画立案時からの参画も重要と考えます。公約であります新型LRTの導入、シームレス化の進捗状況とあわせ、お考えをお聞かせください。 ○丹生谷利和議長 青木都市整備部長。 ◎青木禎郎都市整備部長 市駅前広場は市内最大の交通結節点であり、周辺の施設と一体となってにぎわいをつくり出す重要な公共空間であると認識をしています。そこで、市が事務局となって平成27年度から継続的に地元住民の意見を聞くワークショップを開催するとともに、学識経験者や交通事業者、関係行政機関などで組織する検討会で市駅前広場のあり方について協議を進めています。また、この検討会では、郊外電車と路面電車のシームレス化について、輸送力や技術面などの課題整理を進めていますので、市駅前広場の空間改変の協議とともに早期の課題解決に向けて努力してまいります。なお、新型LRTの導入については、交通事業者において具体的な検討が進められていることから、導入する際には市としても一定の支援を検討したいと考えています。以上です。 ○丹生谷利和議長 大亀議員。
    ◆大亀泰彦議員 再質問はしませんが、一応早期というような答弁をいただきましたので、適切に対応していただきたいというふうに思います。 最後のテーマは、防災についてであります。城と路面電車、そして漱石、本市と共通点の多い被災地熊本市とは官民を含め深いきずなで結ばれております。我々議会も毎年必ずと言っていいほどいずれかの委員会視察で同地を訪れ、市政全般で先進的な取り組みについて比較、調査研究させていただいております。今回の震災による大きな悲しみに哀悼の誠をささげ、元気な熊本市の早期の復旧・復興を願って、以下質問をさせていただきます。今回の熊本地震は、九州では活発化している火山活動は懸念されていたものの、大きな地震については、どちらかといえばそれほど心配されていなかったように思います。また、東日本大震災以来、東海・東南海・南海地震等海底のプレートがずれるような大きな地震については発生確率が高いとされておりましたが、今回のような断層がずれる直下型地震については、首都直下型地震以外、当面危険視されていなかったように思います。さらに、一番ショッキングなことは、今回のように震度7級の揺れが連続するようなケースは初めての経験であり、誰も予想していなかったように思います。さきの東日本大震災では、甚大な被害を想定外という言葉で片づけてはいけない、もっと危機予知能力を高め、防災・減災意識を高めていかなければならないとする論調をマスコミ等々でたびたび目や耳にしました。しかしながら、やはり人間は自然の前では無知無力であることを改めて思い知らされました。幾ら科学が発達しようとも、今回のように現時点で地震予知を初め天災は防ぎようがなく、予見不能であります。我々のやれることは過去の教訓を生かすこと、つまり事件を分析し、総括し、継承すること、そして少しでも被害を軽減するため、防災・減災対策を地道に積み上げていくことだと再認識しました。さて、今回本市と熊本市とは災害支援協定を結んでいる関係もあり、本市の初動期の被災者への救助活動等、発災直後から現地に入られたとのこと、私のもとには本市在住の現地関係者から本市の対応に感謝し、評価する声がたくさん届いております。そこで、お伺いします。今回、実際被災地に入られての所感、これまでと今後の主な支援内容について、また得られた課題や問題点についてお聞かせください。 ○丹生谷利和議長 井手危機管理・水資源担当部長。 ◎井手清史危機管理・水資源担当部長 まず、被災地での所感ですが、熊本市に派遣した職員によりますと、多くの被災者がなれない避難所生活を余儀なくされており、精神的にも肉体的にも疲弊し切っている様子や、生活環境が悪化していくにつれ、体調を崩す避難者も多数に上る状況が報告されております。こうしたことから、被災地支援には寄り添う気持ちと生活者目線が大切であると感じました。次に、これまでの主な支援内容と今後の対応についてですが、本市では被災地の要請に基づき、救援物資の送付を初め発災直後の緊急消防援助隊、被災者の健康管理に従事する保健師、応急危険度判定士、水道技術者、震災ごみ処理のための清掃作業員など112名の職員を派遣し、きめ細かな支援に努めてまいりました。今後の対応は、現在設置している熊本地震被災地支援本部を継続し、避難者への市営住宅の提供や各保険料の徴収猶予などにいつでも対応できるように準備しており、また新たな支援の要請があれば、できる限りの対応を行うことにしています。次に、課題や問題点についてですが、避難所での感染症対策を初め、高齢者や子ども、女性に対する配慮の必要性、さらには可燃ごみと震災ごみの排出が同一場所で混在していたため、衛生状態が悪化していることから、排出ルールの周知や徹底が必要であったことなどが主な課題であると考えております。以上です。 ○丹生谷利和議長 大亀議員。 ◆大亀泰彦議員 本当に息の長い支援になりますが、向こうのニーズも聞きながら、しっかりと対応していただきたいというふうに思います。さて、今回の地震では、多くの古い木造家屋が全壊するシーンがマスコミ等で報道されており、しかも死亡者の多くが建物の倒壊による圧死でありました。しかし、中には比較的損傷の少なかった家屋もあり、住宅の耐震化の重要性が改めて浮き彫りにされました。本市においても、住宅耐震化施策として、耐震診断と耐震改修工事に補助制度を設け、耐震化を促進してきました。私は、前回、都市企業委員として関連議案の審議に参加させていただきました。その際、耐震診断、改修工事とも制度の利用がどちらかといえば低調で、利用を高めるための議論をさせていただいたように思います。そこで、市当局におかれましては、今年度から県の支援も得て、煩雑な事務手続を簡略化したり、技術者の派遣手配も行政で行うなど、制度改正がなされ、その動向に注目していました。今回の地震も影響したのか、新制度スタートからわずか3日間で耐震診断は募集枠に達し、今議会で補正予算が計上されております。一方、改修工事は、多額の費用を有することから二の足を踏んだり、バリアフリー対応や多世帯同居等大規模改修時や改築時といった中長期的な取り組みとなるケースが想定され、耐震改修のみの工事はなかなか腰が重いのが現実であったかと思います。そこで、過去2年間、地域経済対策として実施してきた住まいるリフォーム補助事業を今年度から住宅政策として継承し、わが家のリフォーム応援事業としてスタートさせ、多岐の補助メニューの一つに耐震化対応も含まれ、耐震化工事の契機となるものと期待しておりました。同事業も制度スタート後約1カ月で募集枠に達し、現在は受け付け中止だと伺っております。愛媛県によりますと、2020年度までに住宅の耐震化率90%を目指すとしていますが、本市としても市民意識が高まっている中、厳しい財政状況とは思いますが、耐震化の取り組みを官民連携のもと、加速化すべきと思うのであります。そこで、お伺いします。まずは、本市の住宅の耐震化率、耐震診断が必要とされる戸数、今後の耐震化の目標値についてお示しください。2つ目は、今回の補正も加えた耐震診断の今年度の募集件数及び応募の見込み数についてお聞かせください。3つ目は、耐震改修工事についてであります。28年度から導入した代理受領制度の概要と狙い、今年度の募集件数及び応募の見込み数についてお示しください。また、先ほど触れましたように、耐震化にも資すると期待されるわが家のリフォーム応援事業について、今年度内の募集枠の拡大の有無についてお聞かせください。さらに、耐震化の工法については、業者により差異が出てくるように思います。また、安価で効果的な工法も研究が進んでいるよう仄聞しております。行政が診断から改修工事までパッケージで支援することはできないか、御所見をお示しください。 ○丹生谷利和議長 隅田開発・建築担当部長。 ◎隅田完二開発・建築担当部長 住宅の耐震化についてのうち、1点目から4点目についてお答えします。まず、住宅の耐震化率については、国が平成20年に行った住宅・土地統計調査の結果を用い、「松山市耐震改修促進計画」の中で推計した住宅の耐震化率は69.2%で、そのうち木造住宅の耐震化率は62.2%となっています。耐震診断が必要とされる戸数については、促進計画の中で耐震基準を満たしていない木造住宅としており、その戸数は約4万5,000戸となっています。なお、最新の値は平成25年の調査結果が公表されており、現在精査している状況ですが、約3万6,000戸と推計しています。今後の耐震化の目標については、促進計画で平成27年度末に80%としていましたが、平成25年の調査結果をもとに現在見直しを行っており、今年度中に平成32年度末の目標を定める予定としています。次に、今年度の募集件数は、当初の120件と追加補正分の500件を合わせて620件です。応募の見込みについては、4月25日から受け付けを開始し、現在は仮受け付けを含め370件を超えている状況ですが、熊本地震から約2カ月経過し、申請数も落ちついてきていますので、現在の状況で推移すると、補正分を含めた応募になると見込んでいます。次に、代理受領制度の概要と狙いについては、従来申請者が耐震改修工事費全額を工事業者に支払い、その後に補助金を受領していましたが、代理受領制度では工事業者が市から直接補助金を受領し、申請者は自己負担額のみ支払います。この制度を利用することで、申請者は準備資金の軽減が図られるなど耐震改修の促進につながるものと考えています。最後に、今年度の耐震改修工事の募集件数は85件で、現在27件の応募をいただいています。応募見込みについては、今後の耐震診断を行う方々の改修工事への応募状況を見守る必要はありますが、当初予定の応募があると見込んでいます。以上です。 ○丹生谷利和議長 青木都市整備部長。 ◎青木禎郎都市整備部長 わが家のリフォーム応援事業の募集枠拡大についてお答えします。わが家のリフォーム応援事業は、住宅の耐震化のみならず、省エネやバリアフリー、また市の重要施策である子育て支援などを後押しするとともに、将来的な空き家を抑制することを目的に取り組むものです。したがいまして、来年度以降も住宅施策の一環として一定期間継続したいと思いますので、今年度の募集枠の拡大は考えていませんが、今後さらに市民のニーズを踏まえより利用しやすい制度になるよう検討してまいります。以上です。 ○丹生谷利和議長 隅田開発・建築担当部長。 ◎隅田完二開発・建築担当部長 診断から改修工事まで、パッケージで支援することについてお答えします。本市では、平成26年度からあらかじめ診断と改修工事などの業者を選定していただく場合には、それぞれの申請で必要な審査をまとめて行うことができる一体的な支援制度を設けています。この制度を利用することにより、診断から改修工事までの期間を短縮できるものと考えています。なお、この制度の利用実績は、平成27年度36件で、平成28年度については現在までに17件の申請がございます。今後も、「安全・安心で幸せ実感」の実現に向けて効果的な取り組みを研究し、木造住宅の耐震補助制度の拡大に努めていきたいと考えています。以上です。 ○丹生谷利和議長 大亀議員。 ◆大亀泰彦議員 しっかり取り組んでいただきたいと思います。 次は、災害時の備蓄物資についてであります。6月9日付、読売新聞には、「災害時食料備蓄進まず、設定目標3日分、3分の1のみ」という大きな見出しに目がとまりました。同紙によると、今回の地震では発生から2日程度で自治体が直接備蓄する公的備蓄が底をつき、コンビニやスーパー等と災害時支援協定を結んで物資を調達する流通備蓄も渋滞等で被災者への支援がうまく機能しなかったとのことであります。現在、備蓄量や方法については、法令上の定めや明確なルールもなく、国は3日分程度の備蓄を促しております。しかし、全国3分の1程度の自治体しかクリアできておらず、愛媛県は目標自体設定していないとのことであります。なお、愛媛県の想定では、南海トラフ巨大地震で最大約27万8,000人の避難者が出るとされ、各家庭で最低7日分ぐらいの備蓄を推奨していますが、7.1%と低い履行率にとどまっているとのことであります。特に飲食物等の備蓄は、期限切れを意識し入れかえが必要で、公的備蓄はその管理場所や方法、コスト負担が重荷になります。また、コンビニやスーパー等民間の小売業者と提携する流通備蓄については、災害時の調達量やルートの確保が課題となり、大変悩ましい、難しい問題でもあります。そこで、お伺いします。質問の1つは、本市の備蓄物資について、具体的な品目や数量、また流通備蓄の調達方法はどうなっているのか、お聞かせください。質問の2つは、今議会補正予算の備蓄物資の内容についてお示しください。質問の3つは、備蓄物資の今後のあり方についてであります。私は災害時、自分の身は自分で守るというのが原則であり、基本的には自主備蓄、公的備蓄と流通備蓄で補完するというのが適切だろうと思います。県が推奨している各家庭で最低7日分ぐらいの備蓄100%を目指した取り組みについて、いかに達成していくかについても、あわせてお聞かせください。 ○丹生谷利和議長 野志市長。 ◎野志克仁市長 まず、備蓄物資の品目や数量と流通備蓄の調達方法についてですが、本市では大規模災害に備えまして、平成28年4月1日現在で、食料約7万6,000食を初めペットボトル約1万8,000本の飲料水、毛布約2万1,000枚、簡易トイレ約4,100個、日用品セット約5万1,000セット、紙おむつ約1万7,000枚などを備蓄しております。これらの物資は、災害時に迅速に避難所などへ搬送できるよう、地域のバランスに配慮した市内5カ所の防災備蓄倉庫などに分散して備蓄しております。また、このほか、市内の小学校、中学校4校に飲料水兼用型耐震性貯水槽を整備しておりまして、飲料水350トンを確保しております。さらに、本市の備蓄で対応が難しい場合は、食料や物資などの供給に関する協定を締結している百貨店やスーパーなど12業者に要請し、迅速に避難所などへ届けます。次に、補正予算の内容についてですが、熊本地震では避難所で衛生環境が悪化し、感染症対策が急務でした。これを教訓としまして、被災地へ提供した災害用備蓄物資の補充に加えまして、体拭き用のボディータオル1,550個を新たに備蓄するほか、簡易トイレ用品4万5,400枚、脱臭剤2,270本、トイレットペーパー384個、手指消毒剤560本、ウエットティッシュ5,170個を追加備蓄することにいたしました。次に、今後の備蓄のあり方についてですが、日ごろから災害に備えるには、市民一人一人が防災意識を高め、家庭内備蓄などに取り組んでいただくことが重要です。そこで、本市では食料や飲料水を初め家族構成などに応じて常備薬や乳幼児用品などの必要なものを1週間分程度備蓄していただくよう、防災マップや広報紙のほか、市ホームページでの広報、さらには防災イベントやキャンペーンなどで周知し、啓発を行っています。比較的日もちする食品を多目に買い置きして、期限が近いものから消費しながら補充を繰り返す、いわゆるローリングストック法を実践することで、食べなれた味が非常食として有効に活用できますし、手軽に取り組むことができると思います。今後も引き続きさまざまな機会を捉えまして、備蓄を積極的に周知し、啓発していきたいと考えております。以上でございます。 ○丹生谷利和議長 大亀議員。 ◆大亀泰彦議員 どうもありがとうございます。 次は、被災者の早期の生活再建についてであります。被災当初、特に困るのが住居であります。東日本大震災時には仮設住宅の建設地の選定に手間取り、多くの被災者が長期間、避難所で避難生活を余儀なくされました。一方、熊本地震では、県営や市営住宅、民間の賃貸住宅等既存ストックを有効活用し、足らざる部分は仮設住宅の公有地への建設で補完し、官民連携で迅速に対応しております。また、さまざまな支援を受ける公的証明として罹災証明の発行手続の迅速化も課題となっております。さらに、当座の資金調達の一方策として、地震保険の加入促進を推奨する声も大きくなっております。そこで、質問の1つは、仮設住宅についてであります。本市の大規模災害時に必要としている仮設住宅数及び充足率、今後の確保策についてお聞かせください。質問の2つ目は、罹災証明の発行手続の迅速化について、その対策をお聞かせください。質問の3つ目は、地震保険の加入率、加入促進についての御所見をお聞かせください。 ○丹生谷利和議長 井手危機管理・水資源担当部長。 ◎井手清史危機管理・水資源担当部長 まず、必要な仮設住宅数、充足率、確保策についてですが、平成25年12月に県が発表した地震被害想定では、本市の応急仮設住宅必要戸数は1万7,065戸と算定されています。これに対し本市は、おおむね3,000平方メートル以上の公園や市立の小・中学校グラウンドを候補地として選定し、9,396戸と報告しています。その結果、充足率は55%となっています。今後は、現在の候補地に含めていない市所管以外の施設や緊急消防援助隊等の拠点となるグラウンドも候補地として追加できるよう、これらの施設管理者等と協議していくとともに、公営住宅や民間借り上げ住宅なども活用し、必要戸数を確保する予定です。次に、罹災証明交付への迅速化についてですが、被災者への再建支援の手続に必要となる罹災証明書の交付には、被災状況の調査が不可欠です。そのため、災害発生後、直ちに被害調査班を編成し、被害状況を調査することにしています。また、被害調査員は、通常1班40人体制ですが、被害状況によってはさらに2班追加し、計3班の120人体制で被害調査に当たることにしています。さらに、本市は愛媛県土地家屋調査士会と協定を締結しており、市職員と連携して調査に当たっていただくことになっています。加えて、申請・交付窓口についても、状況に応じ増設して対応するなど、交付手続の迅速化に努めることにしています。次に、地震保険への加入率、加入促進についてですが、全国の地震保険への世帯加入率は、平成26年に損害保険料率算出機構が実施した調査によりますと、全国平均が28.8%で、愛媛県が22.7%となっており、市単位での数値は示されておりません。全国的に加入率は低い状況ですが、これは火災保険とのセットでしか加入できないこと、補償が火災保険契約額の30%から50%の範囲であること、また最近の建物は耐震性能が十分であるとの認識が強いことなどが要因と考えています。しかしながら、震災経験地域や近い将来の発生が危惧されている地域の加入率は高いことなどから、その必要性に対する意識は次第に高まってきていると思います。本市も、加入促進について、市内に全戸配布している防災マップに地震保険に関する記事を掲載しており、今後も地震により被災した住民の生活再建の方策として有効であることから、地震保険の制度についてさまざまな機会を捉えお知らせしていきたいと考えています。以上です。 ○丹生谷利和議長 大亀議員。 ◆大亀泰彦議員 最後は、四国で初開催となる第45回全国消防救助技術大会についてであります。松山市消防、いわゆる本市の常備消防は、量より質、同規模のまちと比べ少ない人員、予算でありながら、個々の技術力や体力、チームワークでカバーしており、全国に誇れる、頼れる存在だと自負しております。今大会を通じてその力を遺憾なく発揮していただき、松山市消防の質の高さを証明すること、そのことが市民の安全・安心に直結するものと認識し、競技に参加される消防職員各位の健闘を期待するところであります。また、関連イベントも多数企画されているとのことで、一人でも多くの方に会場に足をお運びいただき、防災意識の高揚の一助となり、ひいては地域防災力の強化につながることを願って、以下お伺いします。全国消防救助技術大会とはどのような大会か、その趣旨や意義について、松山大会の概要、市民イベントの内容、市民への周知、大会に臨む消防局長の決意についてお聞かせください。 ○丹生谷利和議長 芳野消防局長。 ◎芳野浩三消防局長 まず、1点目の大会の趣旨ですが、全国消防救助技術大会は、多様な災害に対応する第一線の消防隊員が救助技術の基礎を磨き、厳しい訓練で培った技術、体力を競うことで、新たな災害に対応する強力な隊員を育成することにあります。そして、全国の精鋭がしのぎを削る姿を発信し、国民の消防への理解と信頼を深めることに意義があると考えています。次に、2点目の松山大会の概要ですが、ことし8月24日水曜日に松山中央公園の運動広場に大がかりな訓練塔を建設し、陸上8種目の会場にするほか、隣接のアクアパレットまつやまを水上8種目の会場にして、全国733の消防本部から選ばれた隊員約1,000名が救助技術を競うものです。また、会場の周辺で行う市民イベントでは、本市防災の強みである自主防災組織や企業、学校、消防団など地域防災の主役が集まり、市民の皆さんとともに防災の大切さを体感していただきます。そのオープニングでは、広島、香川、愛媛の消防・防災ヘリによる訓練飛行を皮切りに、終日、地震、豪雨、土砂災害の体験や消防車の試乗のほか、おもちゃメーカーとのイベントも共催します。また、地元松山を初め四国や熊本支援の物産販売に加え、御当地グルメも販売します。さらに、消防団音楽隊と松山中央高校吹奏楽部による合同演奏など、いわゆる産・官・学と地域住民の連携でみんなが集まり、見て、聞いて、学んで、食べて、満足していただける大会を目指しています。次に、大会の周知・啓発ですが、既に河原学園の学生がつくった15秒CMを商店街のストリートビジョンや消防局公式フェイスブックで公開しており、今後、国内の主要な駅や県内の学校、商業施設などにポスターを掲示し、全国の皆さんにPRすることにしています。また、選手を応援する家族や同僚向けの旅行商品なども御案内して、全国から多くの方に御来場をいただきたいと考えています。最後に、3点目の大会に臨む決意ですが、近年ではこの全国大会が地方中核都市で開催されるのは初めてであり、四国51全ての消防本部と対岸の広島市消防局からも応援を受けて開催します。このように、多くの消防本部が協力して行う大会は、今松山市が進める「地域が防災で助け合い総力を挙げる。」という姿にほかなりません。今日、地方の力が試されています。私たちは四国に脈々と伝わるお接待の心と地方ならではのつながりやぬくもりを推進力として、この大会の開催がさらに消防と地域の防災力強化につながるよう、しっかりと取り組んでいきます。以上でございます。 ○丹生谷利和議長 大亀議員。 ◆大亀泰彦議員 力強い決意表明ありがとうございます。私の地元星岡町では、おやじの会が中心となって野志市長や西泉副市長、丹生谷議長にも御協力いただき、この3月に防災訓練の一環として地域住民の防災意識の高揚と大規模災害時の安否確認の効率化を狙った黄色いハンカチプロジェクトを行いました。これは、大規模災害時、生存している御家庭には黄色い目印を玄関や窓等、外から見える場所に掲出していただき、掲げていない家庭への人命救助を重点化し、一人でも多くの地域の方の命を救おうという取り組みであります。みずからの命はみずからで守る、隣近所で助け合う、それでも足らない部分は行政が補完する、防災・減災はもとより、そんな住民自治のまちづくり、みんなで考え行動することを期待し、質問を終わります。どうもありがとうございました。 ○丹生谷利和議長 以上で、大亀議員の一般質問を終わります。 次に、岡田議員。 〔岡田教人議員登壇〕 ◆岡田教人議員 自民党松山市議団の岡田教人でございます。通告に従い、一括方式にて質問させていただきますので、理事者の皆様におかれましては、わかりやすく丁寧な答弁をいただきますようお願い申し上げます。 私は、これからの社会は若い働く世代が頑張らないといけない、だからこそ子育て支援に力を入れたい、保育料の第2子無料化、医療費無料化拡充を進めていただきたい、そんな思いは強いものの、ない袖は振れませんから、これまでの議会において財政について歳入をいかにふやしていくかを念頭に、そのあり方について質問をさせていただきました。その中で、ふるさと納税について質問をしました。理事者からは、前向き、積極的な御答弁をいただきました。理事者の成果が実り、松山市のふるさと納税が大幅に増加したとの報道がなされました。ふるさと納税導入当初から現在に至るまで、まだまだ伸びしろがあると考えていたふるさと納税施策だけに、今回の報道は大変喜ばしいことであるとともに、さらなる進展を切に望むところでございます。 早速質問に移りますが、ふるさと納税に関する質問の前に、子育て支援施策の中の多子世帯の保育料負担軽減策についてお伺いします。昨年度末、国は多子世帯の保育料について大きな制度改正を行いました。年度末ということもあり、自治体によっては対応し切れていないことも想定できます。この制度改正は、年収約360万円という上限がありつつも、これまでの多子計算における第1子の小学校就学前の範囲という年齢制限を撤廃したもので、対象となる世帯の範囲が大幅にふえるものであります。第2子保育料の完全無料化を望む私としては、大きく前進した制度改正ではありますが、市の負担が大きくなるのは当然です。財源について考えなくてはなりません。これまで実施してきた市の単独事業も議論の対象としなくてはなりません。そこで、お伺いします。現在、本市は所得制限なく、多子世帯の保育料負担軽減について、第1子の基準を18歳として、第3子以降の3歳未満児について保育料負担軽減を市単独事業として取り組んでおります。その単独事業に係る平成28年度の経費をお示しください。 では、本題に入ります。冒頭に申し上げましたふるさと納税、まず初めに平成26年度と比較してふるさと納税の実績が大幅に上昇している報道があったと申し上げました。それはどのような理由か、お示しください。 次に、平成28年度から寄附者への感謝の気持ちを伝えるふるさと産品に88品目が新たに追加され、合計146品目、中には新しい取り組みとして体験型ふるさと産品が導入されました。これは、通常のふるさと産品の経済効果が1.5倍と言われる中、滞在型、つまり旅行の場合はそれが7倍となる推計でございます。プランとしては4件と少数ではありますが、導入したことは大変よいと感じております。そこで、お伺いします。新たに追加されたふるさと産品の選考基準をお伺いいたします。 ふるさと納税の趣旨がずれているなどの議論はよく聞く話です。豪華過ぎる特典にストップをかけるべきなどとの議論もよく聞く話です。そこで、政府は本年4月1日に総務省から豪華な品目、換金性の高い品目等でのお礼を自粛するようにとの通知が出されましたが、この通知の趣旨に反するような謝礼がふるさと産品に含まれていないでしょうか。また、この通知に対しての市長の見解をお伺いいたします。 激化するふるさと納税競争ですが、県内に目を落とすとどうでしょう。県内市町で本市より実績が高い市町があると思いますが、そのことをどのように分析しているか、その分析の結果、どのような対応がなされたのか、お伺いいたします。 多額の寄附を受ける自治体がふえるということは、所得税や個人住民税が控除されることにより税収が減っている自治体が存在することを示します。東京都や神奈川、大阪府などでは寄附税額控除額が昨年に引き続きトップ3、奈良市に至っては寄附収入が590万円に対し、流出額が1億3,000万円と、その額に驚きを隠せません。他県市町村の魅力ある産品に松山市民が反応することも仕方ないことであるかと思います。そこでお伺いします。ほかの自治体に納税されたことによる本市の影響をお伺いいたします。もし減少が見込まれる、つまり地方税の減少が見込まれるならば、国の財政的な措置はあるのでしょうか、お伺いいたします。 また、魅力ある松山市を全国に発信するツールとしても、財源確保策としても有効なこのふるさと納税なので、さらに実績を向上させるとともに、県内順位も一つでも上に1位を目指していただきたいと思いますが、そのために何が必要かお考えをお示しください。 ふるさと納税は寄附者の指定した使途に充当されます。本市では市長のおまかせを含めた7つのテーマに分かれており、昨年の1億2,000万円弱の寄附額がそれぞれの事業に振り分けられています。その細目事業というのは、どのように決められているのでしょうか。近年はやりのクラウドファンディングのように、この取り組みにはこれだけかかりますとか具体的に明記して、寄附者に対してインセンティブを働かせるような仕組みを考えてはいかがでしょうか。例えば、冒頭にも申し上げました第2子保育料無料化まで3億円というような打ち出し方ができれば、具体性があり、インセンティブが働くのではないかと考えます。ふるさと納税をより充実させ、そして有効に活用していくことが重要であるという視点に立って質問をさせていただきました。 次に、えひめ国体及び民泊についてお伺いいたします。平成29年度、来年にえひめ国体が控えております。国体といえば大変懐かしく、私は高校、大学とボート競技に携わってまいりました。そして、ボートへの愛情も薄れることなく、現在、愛媛県漕艇協会の審判員としてボート競技の普及啓発、そしてスポーツ振興に取り組んでいるところであります。本市の当初予算においても、えひめ国体開催推進事業約4億円が計上されており、近づく国体に向けて、官民挙げての取り組みにその機運が徐々に高まりつつあるところです。松山市では、陸上競技や水泳など正式競技から特別競技、公開競技と合わせて24競技が行われます。昨年、和歌山県で開催された紀の国わかやま国体においては、大会期間中、県内を選手や関係者ら約15万人と観客約62万人が訪れると計算、経済効果も600億円を超えると見られ、県に潤いを与える一大イベントであります。さて、気になることがあります。国体選手を受け入れる宿泊所のことです。幾つかの市町村では会場周辺に宿泊所がなく、頭を悩ませている様子。国体に絡む宿泊者、具体的に上げますと、選手、監督など国体関係者のほか、保護者、観客など多く宿泊客が見込まれるわけですが、耳に入るのは宿泊所が確保できない者がいるということ、松山市の開催競技であったとしても、市外に宿泊する国体関係者もいると聞きます。私も国体経験者ですからわかりますが、競技者にとって当然に競技会場と宿泊所の距離が相応の近さであるほうがいい、公平公正な環境の中で競技が行われるべきだと思っております。このような事態は想定内だと思いますが、本市としてどのような見解をお持ちか、含めて、以下数点お伺いします。 まず初めに、昨年開催された和歌山県や他県の過去の国体の結果に基づいて、松山市に訪れることが想定される国体関係者がピーク時にどの程度の宿泊数が見込まれるか、お伺いします。 次に、本市の旅館業法に基づくホテル、民宿等、合わせて受け入れ可能人数をお聞かせください。また、それを踏まえて、市外に宿泊する国体関係者がどれだけいるのか、見込みをお伺いします。 宿泊衛生専門委員会の基礎配宿実施概要の中では、国体開催時に宿舎の不足が見込まれる場合は、営業宿泊施設、転用施設の利用のほか、民泊の実施にて検討し、えひめ国体に向けてシミュレーション作業を行うこととしております。そこで、このような国体開催時にその時々に実施されてきた民泊について質問いたします。民泊はここ数年聞くようになった言葉です。大都市圏で民泊を営む事業者が多く見られ、東京都大田区では区が民泊を認める条例を制定するほか、大阪、神戸も国家戦略特区の中で民泊合法化の動きを見せています。合法化の動きを見せているとはいえ、旅館業法のグレーゾーンと言われるこの民泊、また、本市で言えばターゲット層が違うとはいえ、道後温泉で旅館業を営む方への影響もあるかもしれません。私個人としては、国体開催に向けての宿泊先確保、四国八十八箇所の世界遺産登録を視野に入れたインバウンド戦略、本市の空き家活用の観点からも行政の目が行き届く形での民泊業に肯定的な立場でおりますが、本市における民泊の必要性、影響等の認識をお伺いします。 こういった状況から、本市においても民泊事業を営もうとする者がふえていると聞き及んでおります。そういった民泊業を行おうとする者からの相談件数は昨年度どのくらいあったのでしょうか。また、ここ3年における民泊事業申請者数の推移をお示しください。 民泊に絡む厚生労働省の動きとして、民泊での宿泊施設の規制を緩和しているようではありますが、認知不足のためなのか、ほとんど使われていない状況であります。また、民泊のルールづくりに取り組んでいるさなかでもあります。行政は民泊を十分に生かして、ガイドラインの作成を含めた許可等を含む対応、対策を考えなければなりません。暗闇の中で民泊を営む者が横行しては、松山のクリーンなイメージが損なわれかねない。旅館業を営む方々へもその影響が及ぶことが懸念される。民泊利用者は日本人だけではありません。賃貸に使うよりも民泊のほうが効率がいいとして、最近はマンション全体が民泊に使われ、摘発される事件も起きています。野放し状態では監視の目が行き届かず、マナーの悪い観光客も出入りすることで、居住者の安心が脅かされるトラブルも相次いでおります。ローコストがゆえに外国人の宿泊者も多い、価値観の違いにより地域住民とのトラブルが続発すると、許可を出した行政の責任も問われてくる。そこで、お伺いします。トラブルが起きたときの行政の対応をお示しください。 何といっても、民泊の根底にあるのは地域住民の理解であります。つまり民泊事業者と地域住民の信頼関係、信頼構築のためには、行政というバックヤードが必要になるのではないでしょうか。これは、申請行為だけに、消防法や食品衛生法施設の要件を具備しておれば許可がおりてしまう、全ての事業者が良識を持ち、厳格な衛生基準等の万全な体制の中で民泊業を営むばかりではないかもしれません。そこで、むやみやたらにふえる民泊事業者に抑止力を持たせるために、申請を行う民泊事業者に対して、本市が食品衛生法、旅館業法等のリーガル的な知識、トラブルへの対応など、一定の基礎的な講習を受けることを必須としてはいかがでしょうか。現在、国の民泊サービスのあり方に関する検討会において、今後の方針について検討を行っております。6月10日開催の検討会においては、適切な規制のもとで、ニーズに応えた民泊サービスが推進できるよう、早急に法整備に取り組む、この新たな枠組みで提供されるものは住宅を活用した宿泊サービスであり、ホテル、旅館を対象とする既存の旅館業法とは別の法制度とするとされています。また、旅館業法を見直し、無許可営業者に対する報告徴収や立入調査権限を整備することについて検討すべきであるとの意見もあります。国のこのような民泊に関する検討結果が早急にまとまり、民泊業を行いたい方にとってクリアすべきハードルが現実的なものになることを期待しております。また、大阪府は民泊条例を制定し、民泊業を営む者に対して許可を出しております。本市も消防法や建築基準法の厳しい基準をクリアせずに、闇の中で民泊を行う者が横行しないように、ガイドラインの作成や許可制とまで言わずとも、届け出制や登録制を導入して、行政の目が行き届く体制づくりを行い、適切な対応をあわせて期待するところです。 以上で、質問を終わります。御清聴まことにありがとうございました。 ○丹生谷利和議長 これより答弁を求めます。野志市長。 〔野志克仁市長登壇〕 ◎野志克仁市長 岡田議員に、私からはふるさと納税についてのうち、ふるさと納税の実績、平成28年度のふるさと産品の選考基準と総務省通知についてお答えします。 まず、ふるさと納税の実績が大幅に上昇した理由は、平成27年度は9,857件、約1億2,000万円の御寄附をいただき、平成26年度と比べ、件数で約3.7倍、金額で約2.3倍になりました。本市では、寄附者の利便性を向上し、選択の幅を広げるため、平成26年度にインターネットからの申込時点でのクレジット決済を開始したのとあわせ、平成27年度は公募でふるさと産品を拡充させました。また、本市の取り組みに加え、マスコミ報道などでの制度の周知や平成27年度税制改正で導入された個人住民税の控除限度額の引き上げなども合わさり、大幅な上昇につながったと考えております。 次に、平成28年度から新たに追加したふるさと産品の選考基準は、追加のための公募では市内企業の振興と本市のPR強化にもつなげたいと考え、市内に事業所などを有することに加え、品物に松山や道後など本市を連想させる語句を含むことや松山の魅力を満喫できる旅行プランであることなどを条件にしました。 最後に、総務省通知の趣旨に反するような謝礼がふるさと産品に含まれていないかについては、通知では商品券などの金銭類似性の高いものや電化製品などの資産性の高いものがふるさと納税の趣旨に反するものとされています。本市のふるさと産品にはこのようなものは含まれていないため、抵触しません。また、この通知に対しての見解はふるさと納税の趣旨を考慮した良識ある対応をするきっかけになると捉えております。 そのほかの質問は、関係理事者からお答えいたしますので、よろしくお願いいたします。 ○丹生谷利和議長 片山理財部長。 〔片山雅央理財部長登壇〕 ◎片山雅央理財部長 岡田議員に、ふるさと納税についてのうち、市長が答弁した残りの部分についてお答えいたします。 まず、県内で本市より実績が高い市町の分析についてですが、平成27年度に本市を上回る寄附実績を上げている市町は、件数で4市、金額で4市1町でした。これらの市町では、地域の特性に合わせた特産品等を数多く用意していることが共通しており、特産品を通じたPRが効果的であると考えられます。また、分析の結果への対応ですが、本市でもPRの強化を念頭に置き、公募による拡充と宿泊・体験型などの独自の取り組みを進めるため、今年度も公募を行った結果、ふるさと産品を146品と大幅にふやすことができました。 次に、他の自治体にふるさと納税として寄附されたことによる本市への影響についてですが、本市は県都という地域特性から、他の自治体への寄附が一定程度あり、総務省の算定基準に基づく平成28年度分の個人市民税の減少額は約2億円となっています。また、地方税の減少が見込まれる場合の国の財政的な措置についてですが、地方交付税の交付団体に対しては減少額の75%が交付税で措置されることになっており、理論上の個人市民税減少による本市の影響額は約5,000万円となります。 次に、実績を向上させるために必要なものについてですが、ふるさと納税はあくまでも松山市を応援したいという寄附をされる方の気持ちのあらわれであり、他の自治体と比べることはなじまないと考えています。本市としては、地域に埋もれているふるさと産品の掘り起こしや宿泊・体験型のふるさと産品のような新たな取り組みに挑戦することにより寄附件数や金額をふやしていくことは重要であると認識しており、今後も継続して全国に松山の魅力を発信してまいりたいと考えています。 次に、寄附が振り分けられる細目事業の決め方についてですが、平成27年度までは健康・福祉、教育・文化などの6分野と市長におまかせについて、各分野での市長の公約事業のうちから選定しました。 最後に、寄附者にインセンティブを働かせるような仕組みについてですが、本市では今年度から寄附の使い道について、寄附を検討している方の共感をこれまで以上に得られるように、妊娠・出産支援、子育て支援、松山城・道後温泉、俳都松山、愛媛マラソン、トライアスロン中島大会、愛媛国体開催など、本市独自の事業について具体的に示すように見直しを行っています。なお、議員御質問のふるさと納税推進のためのクラウドファンディングについては、寄附をされる方へのインセンティブを得るために有効な手法であると認識しており、今後、ふさわしい事業があれば考えていきたいと思っています。以上でございます。 ○丹生谷利和議長 池田国体推進局長。 〔池田和広国体推進局長登壇〕 ◎池田和広国体推進局長 岡田議員に、えひめ国体及び民泊についてのうち、国体関係者のピーク時における宿泊数の見込み、受け入れ可能人数及び市外に宿泊する国体関係者の見込みについては、関連がありますので、一括してお答えいたします。 えひめ国体での配宿業務、いわゆる宿泊手配は、選手・監督や競技役員などの国体関係者の宿泊先を県と各市町の合同で県内の宿泊施設を一元的に管理し、的確かつ効率的に行う合同配宿方式で実施することとしています。こうした状況のもと、県が昨年度に実施した第1次仮配宿のデータによりますと、本市では国体関係者の1日当たりで最大となる宿泊見込み数約8,500人に対して、旅館業法に基づく市内のホテル、旅館、簡易宿所の収容能力は約1万4,000人と見込まれています。こうしたことから、本市を訪れる国体関係者は市内宿泊施設で受け入れることが可能と考えています。以上です。 ○丹生谷利和議長 矢野保健福祉部長。 〔矢野一郎保健福祉部長登壇〕 ◎矢野一郎保健福祉部長 岡田議員に、えひめ国体及び民泊についてのうち、民泊の部分についてお答えいたします。 まず、民泊の必要性、影響等の認識についてですが、観光庁の平成27年宿泊旅行統計調査によると、客室稼働率が東京都で82.3%、大阪府85.2%となっているように、大都市圏では宿泊施設の不足による民泊の需要はありますが、本市は宿泊施設が比較的充足しており、愛媛県の客室稼働率も53.5%であり、大都市圏とは状況が異なります。このようなことから、既存の旅館、ホテルへの影響も含め、考慮すると、現段階で民泊施設の必要性は限られるものと考えています。 次に、民泊業の相談件数及び民泊事業申請者数の推移についてですが、相談件数は昨年度が12件あり、申請件数は平成25年度がゼロ件、26年度が3件、27年度がゼロ件となっています。 次に、トラブルが起きたときの行政の対応についてですが、今後、民泊施設が増加することがあれば、ごみの出し方や騒音などの近隣トラブルが発生することも考えられますので、トラブルが発生した場合は関係する機関と連携を図り、適切に対応していきたいと考えています。 最後に、民泊事業者に対して一定の基礎的な講習を受けることを必須としてはどうかについてですが、現在、国が民泊サービスのあり方に関する検討会の中で、手続時の必要なルールや近隣住民への配慮なども含めた新たな制度づくりについて検討している状況ですので、関係法令の改正内容を注視し、必要な制度について、講習会も含めて検討してまいりたいと考えております。以上でございます。 ○丹生谷利和議長 黒瀬子ども・子育て担当部長。 〔黒瀬純一子ども・子育て担当部長登壇〕 ◎黒瀬純一子ども・子育て担当部長 岡田議員に、多子世帯の保育料負担軽減に係る市単独事業についてお答えします。 本市では、多子世帯の保育料負担軽減策として、第3子以降の3歳未満児に係る保育料を所得に応じて無料もしくは半額とする事業を平成19年度から実施しています。この事業により、平成28年度で保育料が軽減される人数は1カ月当たり約430人、軽減額は年間で約6,240万円を見込んでいます。以上で、答弁を終わります。 ○丹生谷利和議長 以上で、答弁は終わりました。 以上で、岡田議員の一般質問を終わります。 これで本日の一般質問は終わりました。   ──────────────── ○丹生谷利和議長 以上で、日程は全部終了いたしました。 明日は定刻から会議を開きます。   ──────────────── ○丹生谷利和議長 本日は、これをもちまして散会いたします。       午後3時0分散会  ───────────────────────────────────────────    地方自治法第123条第2項の規定によりここに署名する。                      松山市議会 議  長  丹生谷 利 和                            議  員  猪 野 由紀久                            議  員  寺 井 克 之...